【大紀元日本12月30日】中国天津市の南開大学は12月24日夜に発生した交通事故がきっかけとなり、千人近い大学生らが警察と衝突し、横暴ぶりが学生らの怒りを買った地元の有力者の車両を破壊する事件に発展した。情報筋によると、先頭に立った学生らが警察に連行されたほか、学校側もインターネットのブログで学生らを呼びかけた学生らのリストを掌握したため、学生らの今後の処分が注目されている。
情報筋によると、事件は24日午後8時半ごろから翌午前1時までの間に起きた。米国製乗用車が同夜、南開大学活動センター前を通りかかった際、女子学生が乗っていた自転車と衝突した。事故発生後、乗用車の持ち主は自らの非を認めないだけではなく、警察を呼び寄せて、女子学生に謝らせた上、部外者に指図して南開大学の学生に対して暴力を振るった。これに対して、警察らは暴力を振るった者を逮捕しなかった。反対に、学生を警察車両に押し込んだという。この行動は現場にいた学生らの怒りを煽り、集まった多くの学生が加害者の車を破壊した上、横倒しにしたという。
内情を知る人によると、先頭に立った学生は警察に連行され、「器物損壊罪」で訴えられたという。一報、学校側もインターネットのブログで学生らを呼びかけた学生らのリストを掌握し、学生らは学校側から処分を受けるという。
北京人権活動家・胡佳氏は、南開大学の張靜副校長は事件直後に、学生らに対して責任の追及はしないと発表したが、事態の拡大を防ごうとして、学校側は水面下では必ず学生らに対して圧力をかけると語った。
胡氏は、中国当局は高等専門学校や大学の学生集団活動に非常に敏感になっており、特に大学生の動きを注視しており、国家安全機関は大学生の活動を監視制御する専門的部門が設けられていることを明らかにした。
胡氏は、それにもかかわらず、学生らは自らの利益が影響されることから権利を訴える活動は少なくないとし、当局は必ず厳密に情報を封鎖すると指摘した。例えば、昨年6月に河南省鄭州大学において、卒業証書を取得できないことから、数千人の学生が学校構内の施設を破壊する騒ぎがあった。
胡氏は、南開大学の学生は長期にわたり横行する「特権車」に対して抗議し、被害者の女子学生のために、正義を行使したものとみている。同様なことは、中国の町でよく見かける。例えば、町を管理する「城管」執行委員が出店の販売員を殴打したことで、民衆に包囲される事件が最近本紙で報道されたが、そうした事件は多々あると指摘した。
学生らに押し倒された乗用車
破壊された車両
乗用車の持ち主と同乗者
破壊された車両のナンバープレート
現場に集まった学生ら
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