中共の歪曲報道:愛国感情を逆手に、法輪功に濡れ衣を着せる

2008/06/01 更新: 2008/06/01

【大紀元日本6月1日】最近、中国領事館の工作員が陰で華人を扇動し、ニューヨーク脱党支援センターのボランティア(その多くは法輪功学習者)を脅迫・襲撃し続けている。それと同時に中国国家放送局CCTVで、法輪功が大地震の募金活動を妨害していると歪曲報道していることについて、カナダ在住の中国問題の専門家で、政治評論家でもある作家の盛雪氏が中国当局の狙いや背景などを分析した。

盛雪氏は、北京生まれ、1989年カナダに移住した女性ジャーナリストで、長年に亘り、新聞や雑誌、ラジオなどに積極的に執筆している。現在は、米国の某ラジオ局の駐カナダ記者として、これまでに、トロントのチャイナタウンのレストランや、スーパーマーケット、闇工場、農場などに数カ月にわたり潜入取材、華人や、密航者に関する最前線の情報を大量に入手している。その関連のシリーズ報道はカナダの情報誌「マクレーン」に掲載され、2000年にはカナダ新聞業界の最高賞「カナダ記者協会賞」を獲得した。

中共による法輪功関係者への脅迫や襲撃、中国国内での歪曲報道などの背景を分析した盛雪氏(大紀元)

なぜ、四川大地震のタイミングを選んだのか

中国当局は大地震発生後、法輪功が募金活動を妨害していると事実を歪曲し、国内外の華人による法輪功への怨恨感情を煽ぎ続けている。なぜ、そのタイミングを選んだかについて、盛雪氏は以下のように分析した。

1.実際には、中国共産党(中共)は常に今回のような機会を狙っている。この政権は、法輪功を含め、反体制派や、政権異議者、民主活動家など、自分の言いなりにならないすべての人々を陥れようとしている。その中、政権への最大の脅威とされる法輪功に対し、中共は弾圧し破綻させるいかなるチャンスも逃さず、狙い続けている。

2.四川大地震で大勢の生徒が全壊した校舎の下敷きになり亡くなっている。校舎の建物は欠陥建築との説が国内で広がっている。また、複数の専門家が事前に地震発生の兆候を掴み、中央政府に報告したと証言している。そのような状況の中、人々はこれからまず以下のような疑問を呈するはずだ。中央政府はどうして事前に対応措置を取らなかったのか、大勢の生徒は「おから工事(手抜き工事)」の校舎に命を奪われたのではないか、地震発生後、命を救う最も大切な72時間以内に海外の救援隊をなぜ拒否したのかなどである。

人々は様々な多くの問題点を徐々に挙げていくはずだが、そうなると、中共は危機回避のためにやはり国民の関心を逸らさなければならない。

そのため、中共は国民の善意、愛情、同情心を逆手にとり、法輪功が地震の募金を妨害していると事実を歪曲して国民に伝え、蓄積していた国民の怒りの矛先を法輪功などに向けさせようと狙ったが、これは中共の常套手段である。

なぜ、中国在外公館が華人・華僑を動員できるのか

民主社会に生き、人権、自由、憲法の保障を有する海外の華人がなぜ中国在外公館の影響と制御を受けるのかについて、盛雪氏は以下の理由を挙げた。

中国人は、幼児期から中国共産党の洗脳教育を受け始め、その歪んだ意識形態に浸されて、知らず知らずに洗脳され続けている。海外で長く生活した華人も、この種の無形の中国共産党文化の束縛から脱却することは至難である。それに加え、多くの華人はチャイナタウンで生活・仕事をしているため、所在国の主流社会とあまりつながりがない。英語ができない人も少なくない、彼らが視聴するのはもっぱらCCTV(中国当局の国家放送局)あるいは親中派メディアである。

人類の歴史上において、政治の宣伝や、世論の操作、民意の誘導、人間への精神コントロールなどの面において、中共の右に出る政権は恐らくないということを、私たちは認めざるを得ない。

中国在外公館による華人コントロールの組織構図 

米ニューヨークのフラッシング地区における、華人による「脱中国共産党支援センター」のボランティア・スタッフへの襲撃事件について、中国領事館の彭克玉・総領事は先週自らが参与・策謀したと発言する電話録音テープが、ネット上で公開されている(http://jp.epochtimes.com/jp/2008/05/html/d88827.html)。それについて、盛雪氏は、「華人社会を制御することは、中共の海外での一貫した政策である」と述べ、そのやり方について、以下のように説明した。

「中国の華僑と華人は所在国で多くの団体、例えば、聯誼会、学生会、各業界の専門家協会などを結成している。これらの団体のリーダーはほとんど現地の中国在外公館にコントロールされている。これは他国の移民にあまり見られない現象であり、肝心なときに、これらの団体の華人は中共の工作員と共に用心棒として利用される。中共はこの種の浸透と影響力を一時も緩めたことがない」

最後に、盛雪氏は「実際、このような状況は海外の華人が直面する深刻な問題である。所在国の主流社会がこの状況に気づき、普遍的に注意し始めると、民主国家の体制、法律、価値観はこれらの行為を容認できないはず」と見解を示した。

(記者・李佳、翻訳・編集/叶子)
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