【大紀元日本4月16日】上海万博の5月1日開幕を目前に控え、上海当局は陸・海・空の警備を強化している。軍と武装警察は、上海に進入する個人、車両、船舶に対して厳密な規制を実施。その規模とレベルは、2008年の北京オリンピックに匹敵するとみられている。ある市民は、「まるで戦場だ」とため息をつく。
胡錦涛主席の「万博の警備安全を確保する」という指示の下、陸・海・空の三軍と武装警察、地方警察は共同で、上海地区の防御体制を強化している。上海と浙江省の水上警察は今年始めから、同地区周辺に点在する1000カ所以上の無人島を徹底的に調査。出入りする船舶およそ3万隻、船員22万人に対して、セキュリティチェックと登録を行った。
陸上警察は、上海に進入する車両の規制を実施。400m以内なら「百発百中」といわれるようなベテラン狙撃手を含め、全国からプロを派遣して全力で警備体制を整えている。
防空体制も更にレベルアップしている。カナダで発行されている軍事系雑誌『漢和ディフェンスレビュー(Kanwa Defense Review)』2月号によると、中国解放軍は既存する遠距離射程装置S-300PMU1に加え、射程距離が長いS-300PMU2をロシアから輸入し、配置した。防空圏は東シナ海沿岸200kmの空域となり、上空からの攻撃が困難になるという。国産最新戦闘機といわれる早期警戒飛行機や戦闘機の殲-11、殲-8Dも防空に加わった。また、解放軍のヘリコプター大隊と海軍の東海艦隊に所属する2隻のミサイル護衛艦も上海に集結し、防衛任務に参加した。
万博会場は今月10日から閉鎖し、警官およそ3500人が会場内で特訓を受けている。上海駅は、臨時警備員300人を雇い、駅周辺のホームレス、屋台、物乞い、勧誘などの取り締まりを実施している。また、上海駅では4月20日から、長距離バスの乗客に対して写真撮影や荷物検査を実施する。
更に、上海当局は市内の病院やリハビリセンターに対して「精神病患者を退院させてはならない」と指示。すでに回復に向かっている患者も、万博期間中は退院することを禁じられている。「精神病歴のある人は警察に軟禁され、万博後に釈放される」という情報も伝えられている。
そのほかにも、上海当局が発布した禁止令の中には、パジャマ姿での外出▼窓の外に衣類を干すこと▼万博会場での衛星電話の使用▼万博会場で無線ランにパソコンを接続すること▼農薬、包丁などの購入規制▼外国人が夜11時以降に外出すること、などがあり、上海当局による行き過ぎた取り締まりに対し、市民からは不満の声が高まっている。
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