「賊を捕らえるにはまずその頭目を捕らえよ」孫子の残した兵法三十六計のなかの言葉だ。問題を解くには、その重点を捉えなければならない。中国社会の安定には、裏舞台で権勢を振るう江沢民・元国家主席の逮捕が不可欠だ。大紀元は評論として、その背景を伝える。
2012年11月の共産党第十八次全国代表大会(18大)から、習近平政権はスタートした。習氏は党内で大規模な反腐敗キャンペーンを行った。その目標は江沢民一派の腐敗勢力の排斥だ。2年あまりで周永康受刑者、徐才厚氏、郭伯雄氏、令計画氏、蘇栄氏ら江派の高官を含め、次々に失脚させた。
軍部から地方行政まで、国家安全関係から政治・法律関係まで、共産党内部の江派を排除し続けている。共産党メディアも曾慶紅氏と江沢民氏を暗に非難しはじめた。
習権力の地盤が固まってきた。しかし、中国社会の現状は楽観視できない。
「トラもハエも一網打尽」。反対勢力である習政権の猛攻に、江派の高官は、黙っているわけではない。江派の中堅はあらゆる手段をつくして「超限戦」を展開している。
2014年前半に中国各地で発生したテロや凶悪事件、同9月の香港民主化デモ、さらに今年6月の上海株暴落、同8月の天津爆発事故まで、すべて江派勢力の関与した痕跡がある。
江派は国民の命を犠牲にすることもいとわず、中国社会を不安定にさせている。民衆は恐怖の中で生きなければならない。社会の安定はまだ訪れない。
香港誌『争鳴』によると、今年の前半だけで、中国で大規模な抗議活動やデモが128の地域で8435件発生しており、142万6700あまりの人が声を上げた。
習氏は抗議活動の背景を知っている。不純な動機を抱く地方の江派幹部が、民衆の不安と不満をあおり、中央政府に非難の矛先を向けさせ、中央にプレッシャーを与えた。
習政権は表舞台で仕事をし、江派は幕の裏で情勢を撹乱している。江派勢力は全国の司法、政治、軍部、地方行政に存在する。江派勢力が習政権内に混乱を作り出すことができるのは、「親分」である江沢民その人が存在するからだ。江派勢力に、罪を犯し続ける原動力を与えることになる。
中国社会には安定が必要だ。国民は安定を求めている。中国社会は肝心な時に来ている。江氏について、これまでも何度か拘束、逮捕のうわさが国内外で報道された。公式に逮捕することが、中国社会に安定をもたらす「鍵」となる。
(翻訳編集・佐渡 道世)
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