韓国の文在寅大統領と金正恩朝鮮労働党委員長は27日、板門店南側「平和の家」で2018南北首脳会談を行い、朝鮮半島の完全な非核化の目標を確認した。また年内には終戦を宣言するとの内容を含む「板門店宣言」を採択した。
11年ぶりに向かい合った南北両首脳が「板門店宣言」を通じて、「過去の合意と比べ意味のある進展を成し遂げた」と国内外の北朝鮮専門家らは評価する。いっぽう、評価は今後の合意履行が完遂された後に下すべきだとの視点も存在している。
専門家の間では、南北関係予測のための南北共同連絡事務所の設置(1条3項)、停戦協定を実現するため非武装地帯(DMZ)の実質的な平和地帯造成(2条1項)など前向きな内容が盛り込まれていることに評価を与えるべきだとの意見が主となる。
また、首脳会談の定例化、過去すべての合意の履行及び現在雪解けムードの南北関係の維持に合意したことも、それなりの意味があると分析する。
特に年内の終戦宣言、停戦協定を平和協定に転換するための米韓朝または米中韓朝の4者会談を積極的に推進すると表明したのも、過去の合意と比べて大きな進歩と評価されている。
ただし、今回の合意が政治的宣言にとどまっていた今までの合意を踏襲しないため、今後の徹底履行が担保されなければならないとの指摘がある。朝鮮半島の平和定着と非核化は、以前の10・4宣言、9・19共同声明、2・13合意でも触れてきた。しかし北朝鮮に対する補償問題を議論する過程で、度々失敗に終わった前例がある。金委員長は当日午前、非公開で行われた首脳会談で「南北首脳会談に対する期待が大きいほど懐疑的な見方もある」と述べ、合意の履行におけるこのような前例への懸念を示したという。
文大統領が南北合意書の国会批准を強調することも、政治的宣言に終わることを防ぎ、制度化を介して合意の履行を強制するための自己救済策だと専門家らは分析する。南北首脳会談準備委員会も「板門店宣言」の国会批准における手続きを踏み出すと宣告している。
南北首脳は、板門店宣言の核心と言える「平和協定への切り替え」に素速く合意したものの、具体的な時期までは言及しなかったという点で、途中で挫折する可能性は十分ある。
停戦協定締結の主体であった米中を説得することも重要課題である。米国の立場では、東アジアに対する戦略の修正は避けられない。平和協定に伴う北朝鮮との国交正常化に乗り出すかも未知数だ。自国の安全保障の利益を図ろうとする中国の態度も未だ生暖かい。
そのほか、停戦協定を平和協定に転換するためには停戦システムを管理してきた国連軍司令部の解体、駐韓米軍の役割と地位の変更、南北境界線の画定など複雑な問題も処理しなければならない。
朝鮮半島周辺国らの利害関係を考慮すべきだが、これは南北が合意に基づいて政治的意味の終戦を宣言するのとは別の問題である。
文大統領が「南北対話だけでは南北関係の問題を解決できない状況で、米朝・日朝関係などが改善されてこそ南北関係も共に進展できる」と述べたことには、このような悩みが盛り込まれている。
チョン・ソンジャン韓国世宗研究所統一戦略研究室長は「(今後開かれる)米朝首脳会談で、北朝鮮の「完全な非核化」に関して満足のいく合意が導出されれば、板門店宣言内の南北合意事項の履行が順調に進むだろう」とした。しかし、そうでない場合は、「板門店宣言の履行も難関に直面することになるだろう」と語った。
(翻訳編集 齊潤)
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