中国銀行保険監督管理委員会(CBIRC)の郭樹清主席は10日、中国不動産市場のバブル傾向について警告した。この後、中国官製メディアは社説で、当局は投機的な取引に向けて対策を一段と強化すると示唆した
郭主席は10日、上海市で開催された「陸家嘴金融フォーラム」にビデオメッセージを寄せた。同氏は、「外国為替、金、他の商品先物に投機している人達には、ほとんど一攫千金のチャンスがないだろう。これは、住宅価格が絶対に下落しないという賭けをしている人達と同じで、いずれ大きな代償を払うことになる」と述べた。不動産市場関係者らはこの発言に注目した。
また、中国住宅都市農村建設部(省)が発行する新聞紙、中国房地産報は12日、社説を発表し、郭主席の発言を分析した。記事は、郭樹清氏が「大きな代償」という「やや極端な」表現を使ったことは、「不動産価格の抑制に関して、規制当局の自信を表した」との見方を示した。同紙は、今後関連抑制政策が次々と発表される見通しだとした。
同社説は、「不動産市場を通して資産価値を増やすという時代は正式に終わりを告げようとしている」とし、「これから、金融規制当局は、不動産市場の投機者の資金源などをしっかりと遮断するだろう」と強調した。
郭樹清氏は昨年8月、中国共産党の理論誌「求是」に寄稿し、「不動産バブルは金融の安定を脅かす最大な灰色のサイ(存在するとわかっていながら放置されているリスク)だ」と示した。
中国金融に詳しい投資ストラテジスト、マイク・ソン(Mike Sun)氏は、郭樹清氏の発言は最近の人民元高とホットマネーの中国市場への流入に対して中国当局の強い警戒を反映したと香港大紀元に語った。当局は、ホットマネーによって不動産バブルがさらに拡大する恐れがあると認識している。
ソン氏は、中国当局の懸念は米国連邦準備制度理事会(中央銀行、FRB)の政策方針と関係するとした。「FRBのゼロ金利政策で、ドル安・元高と生じた。FRBが今の金融政策を解除し、利上げを実施すればドル高となり、サヤ取りに成功したホットマネーが中国金融市場から撤退する。これが中国不動産市場だけではなく、中国金融システムと経済に大きな打撃を与える」
ソン氏は、中国不動産市場の現状、元高、ホットマネーの流入は、1980年代、日本の不動産バブルが弾けた前の状況と似ている部分があるとした。
同氏は中国当局は現在の危機的な状況とリスクを十分に認識していると指摘した。
(翻訳編集・張哲)
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