タイの学術機関による研究では、中国シノバック社が製造したワクチンを2回接種して60日後には、40日ごとに抗体が50%ずつ低下することが分かった。タイ当局は、予防効果を高めるために、シノバックワクチンを接種した人に、2回目には英アストラゼネカ(AZ)製ワクチンを使用する「混合接種」を承認した。
この研究は、タイのタマサート大学と国立遺伝子工学・バイオテクノロジーセンターが行ったもの。研究チームの責任者であるアナン・ジョンカイワッタン(Anan Jongkaewattan)氏がFacebookで結果を発表した。
ジョンカイワッタン氏によると、研究チームはシノバックワクチンを2回接種した500人を対象に調査を行ったところ、被験者の抗体は40日ごとに50%ずつ減少し、1回目と2回目の間に60日以上経過した人は、60日未満の人に比べて抗体の数が少ないことが分かった。
中共ウイルス(新型コロナウイルス)に対する感染防御率は、2回目の接種から60日以内では約60~70%、2回目の接種から60日以上経過した場合、防御率は約50%だった。また、40歳以上の人は若い人に比べて抗体値が低かったという。
タイのラマティボディ病院の臨床疫学者であるパウィン・ヌムタヴァージ(Pawin Numthavaj)氏は先月、英ガーディアン紙のインタビューで、シノバックワクチンについて、他のワクチンに比べて公開されているデータが非常に少ないのは問題だと述べた。
タイ保健省が発表した4月から7月までの統計によると、シノバック製ワクチンの2回接種を終えた医療従事者67万7348人のうち、618人が感染し、うち1人が死亡、1人が重症化した。
タイ保健省は11日、当局が予防効果を高めるため、医療従事者にAZ社または米ファイザー社のワクチンを3回目の接種を行うことを検討していると発表した。
また、タイ当局は12日、感染力の強いデルタ変異株への対策を強化し、中国製シノバックワクチンを1回接種した人に対し、2回目にはAZワクチンを投与すると発表した。
タイのチュラーロンコーン大学医学部の臨床ウイルス学研究センター長であるヨン・プーボラーワン(Yong Poovorawan)氏は、シノバックワクチンとAZワクチンを組み合わせた初期結果をFacebookで発表した。
同氏によると、不活化ワクチン(シノバックなど)の1回目接種とウイルスベクターワクチン(AZなど)の2回目接種を受けた人は、シノバックワクチンを2回(3~4週間の間隔で)接種した人に比べて免疫力が8倍、陽性から回復した人に比べて10倍、AZワクチンを2回(10週間の間隔で)接種した人に比べてわずかに免疫力が低いことが分かった。
また、不活化ワクチンとウイルスベクターワクチンの混合接種(3~4週間の間隔)では6~8週間後に最適な予防効果が得られたが,ウイルスベクターワクチンの2回接種(10週間の間隔)では12~14週間後に最適な予防効果が得られたという。
タイ政府は14日、国内の感染拡大を受けて、現地生産のAZワクチンの輸出制限を検討していると発表した。
タイは7月下旬に米国から贈られる150万回分のファイザーワクチンを受け取る予定。また、タイ政府はファイザーワクチン2000万回分の購入に合意しており、10月には到着する予定である。
(翻訳編集・王君宜)
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