仏情報収集艦が台湾海峡を通過 仏国防相が認める

2021/10/15 更新: 2021/10/15

フロランス・パルリ仏国防相は13日、台湾海峡に仏海軍情報収集艦デュピュイ・ド・ローム」を通過させたと上院公聴会で述べた。また、台湾と中国の間の緊張の高まりは、深刻な結果をもたらす恐れがあると述べ、危機感をあらわにした。

フランスは国際法と航行の自由の順守を示すために、仏海軍の艦船をインド太平洋に派遣している。仏国防相は、情報収集艦による台湾海峡の通過日時について、明らかにしなかった。

同艦は5月、英空母クイーン・エリザベスの太平洋派遣に合わせてフランスを出港。6月から7月に横須賀、函館、佐世保に寄港している。艦船の任務上、その目的は公表されていない。

パルリ国防相の発言は、オリビエ・カディック上院議員の「中台両岸の現状維持を支持するパリの姿勢を裏付ける具体的な行動があるのか」という質問に答えたもの。

フランス上院の外交・国防・軍隊委員会の副委員長であるカディック議員は、台湾の防空識別圏(ADIZ)への侵入が日常的に行われていることを例に挙げ、台湾が中国軍の威圧的態度にさらされていると指摘した。

カディック議員は10月6日から10日までの5日間、台湾を訪問した仏議員団のひとり。訪台中は台湾の議員から、台湾海峡の安全を確保するためにパリからの支援を望む声があった、と紹介した。

訪台仏議員団は、フランス上院の台湾友好議連の代表であるアラン・リシャール元国防相を団長とし、超党派の上院議員4人からなる。議員団は滞在中に蔡英文総統と蘇貞昌行政院長(首相)、複数の立法委員(議員)と会談した。

(佐渡道世)

関連特集: 台湾海峡の風雲