台湾の呉釗燮外相は26日、仏ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)の取材に対して、「台湾海峡で紛争が発生した場合、台湾だけでなく、中国や世界にとっても災いとなる」と述べた。
呉氏は当日、スロバキアとチェコを訪問し、シンクタンクのGLOBSEC(Global Security Forum)に登壇し、基調演説を行った。同氏は「台湾とスロバキアは人権や自由などに対する価値観を共有している」とし、スロバキアと貿易や投資、産業連関におけるあらゆるレベルでの協力を強化していくと表明した。
講演後、RFIのインタビューに応じた呉氏は、中国が台湾との緊張関係の高まりを、国内の関心を成長率が鈍化した経済やエネルギー不足からそらすために利用していると語った。
呉氏によると、「専制政治の典型的な理論によると、国内に危機があるときには、国内の関心をそらすために外部の危機を作り出すというものである」といい、これは「(我々が)直面しなければならない問題かもしれない」と言っている。
さらに、呉氏は「(中共の)脅威は存在し、さらに悪化している 」と指摘。両国の経済関係の強化を訴え、「民主主義国家のサプライチェーンの一部」として、スロバキアの経済的バックボーンである自動車産業に台湾が協力する可能性があると強調した。
中央通信社のインタビューに応じた呉氏は、訪問中に一部の国会議員が(中国からの)圧力を無視し、意見交換に来てくれたことなど、概ね好意的に受け止めていると述べた。同氏は、ますます多くの欧州諸国が台湾との協力を望んでおり、台湾はこの傾向に合わせるべきだという。
サウスチャイナ・モーニングポストによると、欧州議会の代表団は来週初めにも台湾を訪問し、政府高官とハイレベル会議を行う予定だという。フランスの欧州議会議員ラファエル・グルックスマン氏が一団を率いる。同氏は中国共産党に批判的で、3月、中国当局から入国禁止の制裁を受けた。
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