理化学研究所と富士通が共同開発したスーパーコンピューター「富岳」が16日、計算性能等に関する世界ランキングの4部門で1位を獲得した。ランキングは半年ごとに発表されており、「富岳」は4期連続で1位に輝いた。文部科学省は「富岳」を利用して様々な課題を解決することに意欲を示した。
ランキングは米国で開催されているハイパフォーマンス・コンピューティング
(HPC)に関する国際会議「SC21」が発表した。
「富岳」はスーパーコンピュータの性能を評価する様々なランキングのうち、TOP500(単純計算性能)、HPCG(アプリケーション実行性能)、HPL-AI(AI
性能)、Graph500(ビッグデータ処理性能))の4つの部門で1位を獲得。今年6月に発表されたランキングに引き続き、4期連続で世界1位を獲得した。
スーパーコンピューター「富岳」は神戸市内にある理化学研究所の施設で今年3月9日から運用を開始した。文部科学省によれば、昨年4月からは「富岳」を活用して緊急的に新型コロナウイルス感染症対策に貢献する研究課題を実施し、シミュレーションによって得られた成果が感染症対策の検討に活用されてきた。
その優れた計算能力はデータサイエンスや量子技術といったアカデミアでの利用のほか、科学的・社会的課題の解決に直結する成果の創出をすることも期待されている。
文部科学省は今回の入賞について「文部科学省では、『富岳』を国民共有の財産として、より一層幅広い方にご利用いただくために、誰もが利用しやすい環境を整えるとともに、健康医療、防災・減災、エネルギー、ものづくりなど我が国の社会的・科学的課題の解決に貢献する画期的な成果の創出に向けて、引き続き取り組んでまいります」とコメントしている。
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