岸田文雄首相は15日、エマニュエル・マクロン仏大統領と35分間の電話会談を行った。インド太平洋地域で中国の軍事拡張による影響が広まる中、今年5月のフランス練習艦隊「ジャンヌ・ダルク」の日本寄港など、地域の安全保障・防衛協力が飛躍的に深化していることを歓迎し、緊密な連携を続けることで一致した。
外務省の発表によると、岸田首相からは中国や北朝鮮情勢について意見交換した。このなかで、拉致問題を含む北朝鮮への対応で連携していくとした。また、首相はEUのインド太平洋戦略策定におけるフランスの主導的役割を高く評価し、来年前半のEU議長国であるフランスとの連携を通じ、日EU間の協力も一層深化させたいと伝えたという。
仏政府は、双方は戦略的な経済分野を含む2国間関係全体に関わる日仏間の特別なパートナーシップを深化させることで一致したと発表した。また、フランスは同国を「インド太平洋の国」と表現し、両国は「防衛、海洋安全保障、環境、深海探査、インフラ、健康」の各分野で共同プロジェクトを進め、地域協力を強化していくと述べた。
東シナ海と南シナ海を含むインド太平洋地域で攻撃的活動を激化させる中国を牽制するため、日本は欧州諸国を含む防衛協力の強化を行なっている。5月、陸上自衛隊と米豪仏の各軍による共同訓練「ARC21(アーク21)」が実施された。宮崎県の霧島演習場で行われた日米仏共同訓練では、多国籍部隊が水陸両用作戦や市街地戦闘訓練などを実施した。
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