中国不動産大手の華夏幸福、「社債のデフォルト規模は1.8兆円」と公表

2021/12/01 更新: 2021/12/01

中国不動産企業、華夏幸福基業股份有限公司(以下は華夏幸福)は11月30日、声明を発表し、同社がこれまでに償還できなかった社債の規模は、約1013億元(約1兆8020億円)に達したと明らかにした。

同社は声明の中で、債務不履行(デフォルト)の原因は「流動性が段階的にひっ迫している」ためだと説明し、債権者である金融機関との間で社債の償還について交渉を行っているとした。

中国メディア「21世紀経済報道」30日付によると、華夏幸福は今年2月に初めてデフォルトしてから、デフォルトを繰り返していた。この約10カ月間で、同社のデフォルト金額規模は当初の52億5500万元(約935億円)から1000億元超に急拡大した。

また、同社が30日に公表した別の声明では、同社は債務不履行を巡って、中国国際経済貿易仲裁委員会(CIETAC)から仲裁通知書を受け取った。債権者である中国金谷国際信託有限公司(以下は金谷国際)は債権回収のために、CIETACに仲裁を申し込んだ。華夏幸福は金谷国際に対して、債務19億1000万元(約340億円)を返済していないという。

華夏幸福は売上規模において、過去中国不動産企業トップ10にランクインしていた。しかし、2017年以降、首都北京市に近い河北省張家口市や保定市などの各地で、不動産バブルの沈静化のために実施された住宅物件の購入制限措置により、北京市周辺の地域を中心に不動産開発を行ってきた華夏幸福の収益が急減した。

中国メディア「澎湃新聞」2018年の報道によると、17年の同社の都市部での不動産販売は約104億元(約1850億円)にとどまり、前年比約66%減少した。

華夏幸福は18年、河北省などにある不動産開発子会社の大半の株式を同業の北京万科企業股份有限公司とその子会社である北京恒燚企業管理有限公司に売却し、資金を調達した。

(翻訳編集・張哲)

関連特集: 中国経済