「家を出れば殺す」「夫婦はキスするな」 。「ゼロコロナ」対策を講じる中国当局は、市民に厳しい制限をかけている。その極端な要求に市民は呆れ返っている。
ネット上に流れている陝西省西安市雁塔区の集合住宅地で撮影された動画では、メガホンを手にする区職員はマンション向かって、「コメ1粒、(食用)油1滴、葱1本さえ家にあれば、スーパーに駆け込むな。息がある限り、家にいろ」と区政府の指示を伝達していた。
この度が過ぎた規制に対して、ネットユーザーから「全く人間性がない」と非難する声が上がっている。
西安市雁塔区政府は8日、区内にある196の集合住宅地などを封鎖し、住民の外出と移動を制限すると発表した。
別の動画では、外食に出かけようとする西安市民に対して、職員は「餓死しようがしまいが、通行証明書がないなら、外出は絶対に許さない」と語気を強めた。
人口1300万人の西安市では昨年12月23日から、都市封鎖が続いている。大半の市民は食料不足に苦しんでいる。持病のある市民、妊婦らが相次いで市の医療機関に診療を拒否され、市民の不満が高まっている。
「家を出れば殺す」VS「キスはダメ」
ネットユーザーによると、遼寧省のある村では、村長は村内放送を通じて、「幹部の皆さん、こん棒を用意して道路に人員を配置してください。(外出者を見たら)こん棒で叩き殺せ」と村民を脅かした。
広東省東莞市厚街鎮の集合住宅地で流れた防疫放送もネット上で物議を醸した。
放送は「今夜以降、夫婦は別々に寝なさい。食事も別々。(夫婦が)キスするのはダメ、ハグもダメ」と求めた。市民から「やりすぎ」と呆れる声が出ている。
「国に迷惑だ」
天津市は12日、市民全員に2回目のPCR検査を実施すると公表した。同市では8日にオミクロン株の感染者が確認された後、市政府は9日までに全市民を対象にPCR検査を行った。
ネット上の動画によると、市職員は9日、PCR検査の順番を待つ市民に対して、「国に迷惑をかけないで」と外出しないことを要求した。
女性市民の王さんは「当局は感染拡大防止を政治任務と見なしている。北京冬季五輪の開催を最優先しているのだろう」と大紀元に語った。
(翻訳編集・張哲)
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