首に鎖、8人も出産 江蘇省の女性に集まる同情 人身売買疑う声

2022/01/31 更新: 2022/01/31

中国国内の世論はこのほど、子ども8人を持つ女性がでつながれて監禁されている事件に強い関心を寄せている。

ネットユーザーがSNS上に投稿した映像によると、女性は造りの粗末な小屋に監禁されている。真冬なのに女性は薄着で、首には鎖が巻かれている。小屋に汚れているベッドがあり、その上にお茶碗と蒸しパンが無造作に置かれている。女性ははっきりと言葉を発せられず、撮影者との意思疎通が困難な様子だった。

撮影者は、女性は江蘇省徐州市豊県歓口鎮の住民で、子ども8人の母親だと紹介。映像の中で、撮影者は、真冬にもかかわらず女性があまりにも薄着であることを不憫に思い、コートをかけた。

この映像が28日にネット上で投稿されると、瞬く間に注目された。コメント欄では、地元の村民とみられるネットユーザーらは、女性はほかの地方の人で、「教育を受けた人で英語も話せた。村に来た時には賢い人だった。夫に殴られて頭に障害が残った」などと書き込んだ。

女性は犯罪グループに誘拐され、今の夫に売られたという声もある。その一方で、「夫は、女性を子どもを産む機械としか見ていない」とバッシングする人も多くいる。

ネット上では、女性の夫は虐待、人身売買、当局の人口抑制政策への違反の疑いがあるとの見方が広まり、地元警察当局に通報すべきだという声も高まった。

中国メディア「正観新聞」28日付によれば、昨年12月28日、一家の様子を見に虹歓口鎮へ行ったネットユーザーがいた。女性の夫はその時、自分は56歳だといい、8人の子どもは2〜22歳だと話した。

「34歳の時、まだ結婚できていなかったので、周囲から白い目で見られていた」「今はその人たちに、ざまあみろと言いたい」などと話した。

地元のボランティアの1人は正観新聞に対して、女性は「地元の人ではない」と述べた。

ネット上では現在、この女性に関する最初の動画投稿はすでに削除され、関連話題も封殺された。各メディアは、女性の夫が人身売買に関わっていないという地元当局の主張を報じ、世論の沈静化を図った。

中国メディア「鳳凰網」などが掲載した豊県党委員会宣伝部の28日付の通知は、女性は「1998年8月に」夫と結婚し、「人身売買の疑いはない」と発表した。女性は「精神疾患を患っている」とし、暴力を振るう傾向があるため、日頃から鎖でつながれていたという。

宣伝部は、女性の他の家族に関する情報の開示を求めた鳳凰網に対して、「わからない」と繰り返した。

宣伝部は30日に再び通知を公表し、以前ホームレスだった女性を夫の父親(故人)が引き取って世話をしたとし、「人身売買はなかった」と再び強調した。

当局は、2014年5月から現在まで、一家に生活費を支給するなど、低所得者保護政策を実施していると明らかにした。

世論の圧力を受け、地元政府は女性を精神病院に送ったと発表した。

当局の説明に対して、ネットユーザーらは強い不信を示した。

「2015年になって、ようやく二人っ子政策が全面的に実施された。それ以前は子どもを2人産んだら、親は重罰の対象だった。子どもが8人もいるこの家族に、なぜ補助金が支給されたのか理解できない」

「女性が精神的な病を持っているなら、女性は結婚する際に独立した民事的責任能力がないはずだ。それに、もし無理やり結婚させられ性的関係を持たされたのであれば、男性に強姦罪の疑いがある。(結婚証書を発行した)地元当局も責任を負わなければならない」

いっぽう、女性の夫は「子だくさんの父親」として、たびたび地元メディアに取り上げられ、SNSで子育てのノウハウを伝えるインフルエンサーでもある。

(翻訳編集・張哲)

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