日本政府も企業も情報確認に追われる、ロシア産ガス輸入ルーブル建て

2022/03/24 更新: 2022/03/24

[東京 24日 ロイター] – ロシアプーチン大統領が「非友好国」に対し、天然ガスの購入費をルーブルで支払うよう求めたことを受け、日本政府や企業は情報の確認に追われている。

鈴木俊一財務相は24日午前の参議院財政金融委員会で、「発言の詳細を含め、どのようなことを意図し、どのようなことを手だてとしてやっていこうとしているのか、よくわからないのが実情」と説明。「関係省庁と連携して状況を精査している」と述べた。

経済産業省幹部はロイターの取材に「ウェブサイトで見た以上の情報がない。まずは情報収集」としている。

日本は液化天然ガス(LNG)の調達総量のうち、約8%をロシアから輸入している。実際に購入し、支払いをしているのは企業で、極東ロシアのサハリン2プロジェクトが主な確保先。そこから最も多く調達している東京電力ホールディングスと中部電力の折半出資会社JERA(東京都中央区)は、「現時点で売主から支払い通貨を(現在の米ドルから)変更するとの連絡は来ていない。引き続き情報収集に努める」(広報)とした。

国内ガス1位と2位の東京ガスと大阪ガス、サハリン2に権益を持つ三井物産の広報はいずれも内容を確認中とし、広島ガスの広報も「取引先から具体的通達はない。引き続き金融機関などと情報収集中」とした。

国際決済システムからロシアを締め出す経済制裁を受け、価値が暴落していたルーブルは、プーチン大統領の発言で大きく値上がりしている。プーチン氏は23日の閣僚会議で「ロシアは当然、これまでに締結された契約通りの量と価格で天然ガスの供給を継続する」、「今回の変更はロシアルーブルに変更される支払い通貨にのみ影響する」と述べた。

日本政府関係者はロイターの取材に「商社とロシア側の契約書などの内容を見ないと何とも言えない。ドルでの支払いと書いてあれば契約違反。政府のサポートが必要ならば動く」と語った。

ロシアからガスを輸入する日本企業の関係者は「とても個社で判断できる話ではない。政府などの判断が必要」としている。

Reuters
関連特集: 日本経済