中国共産党による人権侵害に声を上げてきた元米プロバスケットボール(NBA)選手のエネス・カンター・フリーダム氏は今夏、台湾を訪問し、開催するバスケットボールキャンプに蔡英文総統を招待する予定だと述べた。「台湾は台湾の人々のものであり、武力で奪うことはできない」とボイス・オブ・アメリカ(VOA)に語った。
カンター氏は29日、キャピトルヒルで行われたVOAとのインタビューで「台湾を守るためにあらゆる手段を尽くす必要がある。ウクライナと同じような状況になるのを許してはならない」と述べた。現在台湾側と日程を調整しており、1週間ほど滞在する予定だ。
ロシアのウクライナ侵攻を受け、武力行使を否定しない「祖国統一」をにらむ中国共産党による台湾危機が取り沙汰されている。蔡英文総統は「ウクライナと台湾は本質的に異なる」と強調するいっぽう、軍事的な威嚇行為を続ける中国共産党には引き続き警戒体制を敷いている。
こうしたなか、米国では中国共産党が台湾侵攻に踏み切った場合、米中間の金融取引をすべて断つという「壊滅的な」ダメージを与える制裁法案を発表した。米下院超党派議員200人は先月、バイデン政権が近く発足させる「インド太平洋経済枠組み」への台湾の参加に支持を示し、中国共産党を牽制する姿勢を示した。
カンター氏は、これまでも中国共産党の非人道性を積極的に訴え続けてきた。NBAの試合では「中国での臓器狩りを停止せよ(Stop Organ Harvesting in China)」といったスローガンをバスケットボールシューズに描いて注目を集めたが、2月にNBAを解雇されている。巨大な中国市場を抱えるNBAが、中国共産党による影響を受けた可能性が高い。
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