中国の複数の省ではこのほど、香港や台湾を含む海外からの携帯電話着信や、ショートメールの受信サービスを制限する動きがみられた。
中国メディア「IT之家」11日付によると、中国国有通信最大手の中国移動(チャイナ・モバイル)の浙江省の支社は「国際電話を使った振り込め詐欺の被害を防止するために、海外や香港、マカオ、台湾からの電話の着受信を終了する」との通達を利用者に向けて出した。国際電話の着受信が必要な市民は、20日までに身分証明書などを提示して事前に申請する必要がある。
「上游新聞」9日の報道では、浙江省のほかに河南省、江西省、遼寧省、貴州省の通信会社もすでに国際電話の着信を制限した。一部の地区は昨年8月以降、海外からのショートメール受信サービスを相次いで終了した。
SNS微博(ウェイボー)では、ネットユーザーらは「詐欺電話は1本もかかってきたことがないのに、海外にいる家族の電話はもう受けられない」「違憲行為だ。第2の北朝鮮になる」などと批判を強めている。
時事評論家の魯難氏は、米ラジオ・フリー・アジアに対して「国際電話を受けるのに身分証明書が必要ということで、当局は誰がまだ海外と連絡を取っているのかがすぐわかる。中国政府はこれらの国民をより監視しやすくなる」と指摘した。
カナダ在住の中国人作家、盛雪氏は大紀元グループの新唐人テレビのインタビューで、「中国政府の鎖国政策の一環ではないか。当局は国民と海外の交流を断とうとしている」と語った。
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