中国河南省と安徽省の6銀行が4月中旬以降、顧客の全預金を凍結した問題で10日、全国各地から3000人が河南省鄭州市に集まり、抗議活動を行った。地元当局は鎮圧に乗り出し、抗議者を拘束した。
参加者の1人、張捷さん(仮名)は「早朝5時から人民銀行鄭州支店の前で抗議を行った」と大紀元に語った。各地からやってきた2000~3000人が「預金を返すよう銀行側に求めた」という。
4月以降、河南省の4銀行と安徽省の2銀行は、ネットバンキングからの預金引き出しを相次いで凍結した。被害規模は400億元(約8172億円)、約40万人に影響を及ぼしている。
中国政府はこれまで、抗議者が外出できないように彼らの「健康コード」(コロナ感染対策アプリ)の表示を「陽性」に変更するなど、妨害活動を行ってきた。
張さんによると、10日の抗議デモ当日、地元政府の幹部や銀行の責任者は姿を見せなかった。
当日、治安部隊に警官の制服を着ていない人も多く、「私服警官なのか地元の暴力団員なのかがわからなかった。彼らは私たち抗議者に殴る蹴るなど暴行した。多くのケガ人が出た」と話した。
地元警察は抗議者の大半を逮捕し、事前に用意した大型バス約40台に乗り込ませた。具体的な人数はわかっていない。
いっぽう、中国SNS上では、抗議現場で男らがこん棒で妊婦や体の不自由な抗議者にも無差別に暴行している動画が投稿されており、ネットユーザーらから「(地元政府は)まるでマフィアのようだ」などとの怒りの声があがった。
一部のネットユーザーは地元政府の武力鎮圧について、「この様子だと、地方政府にはお金を返すつもりがないのがわかる」「銀行にお金を預けるのは止めたほうがいい」と指摘した。
中国SNS微博(ウェイボー)などでは、現在、抗議活動に関する投稿などが検閲されている。
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