[東京 5日 ロイター] – 松野博一官房長官は5日の閣議後会見で、中国が台湾周辺で行っている軍事行動は、日本の安全保障と国民の安全に関わる重大な問題であり、引き続き訓練の即刻中止を求めていくと述べた。台湾海峡の平和と安定を維持していくため、引き続き日米で緊密に連携をしていく考えも示した。
松野官房長官は、ミサイル戦力の急速な増強を含めた一連の中国の軍事動向は、日本を含む地域と国際社会の安全保障上の強い懸念となっており、「引き続き重大な関心をもって注視していく」と語った。
松野官房長官は、林芳正外相の東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議出席に合わせて日中外相会談を実施する方向で最終調整に入っていたが、昨日、中国側から行わないことにしたいと連絡があったことを明らかにした。その上で「このような中国側の対応は遺憾だ」と述べ、「情勢が緊迫しているこのような時こそ、しっかりと意思疎通することが重要であり、わが国は中国側との対話については常にオープンだ」と語った。
中国の軍事演習は、ペロシ米下院議長の台湾訪問への抗議として行われている。岸田文雄首相は5日のペロシ氏との朝食会で、台湾海峡の平和と安定の維持に向け、引き続き日米で緊密に連携していくことをペロシ氏と確認し合った。
日本政府は4日夜、中国が同日午後に9発の弾道ミサイルを発射し、うち5発が日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したものと推定していると発表した。中国の弾道ミサイルがEEZ内に落下したのは初めて。外交ルートを通じて中国に抗議した。
(杉山健太郎 編集:内田慎一)
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