東京都渋谷区幡ケ谷で新たに建て替えられた公衆トイレに女性専用の表記が取り付けられていないことが最近、SNS上で物議を呼んでいる。
物議を呼ぶきっかけとなったのは、渋谷区の公衆トイレをめぐる方針についての渋谷区議会議員・須田賢氏(都民ファーストの会)の6日のツイート。須田氏は「幡ケ谷で新しくできたトイレです。本日、近くに所用があって写真をついでに。誰でもトイレが2つ、と男性用トイレ。渋谷区としては女性トイレを無くす方向性なのですが、私はやはり女性用トイレは残すべきだと思います。皆さんはどうお考えでしょうか」と問いかけた。
建て替え前は女性用、男性用、共用が各一室だった。新しいデザインでは男性用の小便器トイレが2台、共用トイレ(個室)が2ブース設置された。2月22日から利用できるようになった。
渋谷区は、2018年11月に「渋谷区トイレ環境整備基本方針」を発表し、トランスジェンダーを中心とした性的マイノリティや高齢者、子どもなどに配慮してトイレ環境の整備を進めている。
また2020年8月から同区と公益財団法人日本財団が「性別、年齢、障害を問わず、誰もが快適に使用できる」公衆トイレを渋谷区内17カ所に設置するプロジェクト「THE TOKYO TOILET」を実施。このトイレは、その一環として設置された。デザインしたのは、東京大学生産技術研究所のマイルス・ペニントン教授と同大「DLXデザインラボ」だ。
幡ケ谷のほか、数か所のトイレにも女性専用トイレの表記が取り付けられていないとされる。
渋谷区は7日、公式サイトで声明を出し、「今後のトイレ整備について女性トイレをなくす方向性など全くございません」と説明した。
しかし、この取り組みに対してSNS上では性犯罪・被害を危惧する声や女性差別・蔑視を訴える声が多数挙がっている。
作家でジャーナリストの門田隆将氏は、「全国に先駆け“先進的”渋谷区は男子トイレと“誰でもトイレ”の2つになる。渋谷区はこのまま女子トイレをなくす方向だそうだ。守るべき女性の人権を自己陶酔型人権屋がどう破壊していくか、ゆっくり見ていこう」とツイート。
漫画家の倉田真由美氏は、「公共のトイレは、性犯罪が起きやすい場所。十年ほど前には熊本で女児が殺害された痛ましい事件も起きた。女性用トイレがなくなることで、そういった犯罪が増える危険性はないのだろうか」と懸念を示した。
歌手の世良公則氏は、「渋谷区には実施している施設が女性蔑視ではないのか」と訴えた。
エポックタイムズは9日に渋谷区公園課公園維持係に問い合わせたが、本記事掲載までに回答は得られていない。
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