ジャニーズ事務所の創業者、ジャニー喜多川氏(故人)による性加害問題に関する7日の記者会見で、新社長に就任した東山紀之氏は、創業者の名前を冠する会社名の変更について検討の余地はあるとした。
東山氏と、喜多川氏の姪の藤島ジュリー景子前社長、「ジャニーズアイランド」社長の井ノ原快彦氏が4時間に及ぶ会見に臨んだ。東山氏が藤島氏から経営を引き継ぎ、藤島氏は被害者への救済・補償に専念するが、代表取締役で残留する。同席した木目田裕弁護士は、補償の目処や規模は「現時点では言えない」としつつ、迅速に作業を進めるとした。
今年3月、英BBCの調査報道をきっかけに喜多川氏による所属タレントへの性加害問題が明るみになった。国内外の関心を呼び、事務所は外部専門家からなる再発防止特別チームの調査を実施した。8月29日に公表された調査報告書によれば、被害は数百人、半世紀以上にわたるという。9月5日、藤島氏が社長を辞任し、タレント活動を引退する東山氏が新社長に就任した。
会見では、問題発覚後にタレントとどのような交流を試みているか、との質問に対して、毎日のように彼らと交流を重ねているという藤島氏は「タレントが安心して仕事ができるように、心のケアをしていくことが、ジャニーの姪としての責任を果たすことだと思う」と述べた。
未成年から20代までデビュー前の若手育成を担う井ノ原氏は、タレントとの交流について「人間のつながりを大事にしたい。いい関係でいられたら幸せだと思う。学校、家庭でのことについても配慮したい」と述べた。
創業者の名前を冠する会社名について、東山氏は「引き続き名乗るべきかどうか、色々な解釈があり、議論があった」と述べた。被害の規模から引責して解体すべきとの批判的な質問を受け、「名前を変えて再出発するのが正しいのかもしれない」とした。社名変更の検討の余地はあるかとの問いに、「ある」と答えた。
故人である喜多川氏へ言葉がけをできるとしたら、との質問について、東山氏は「かける言葉はない。本来ならば彼がこの場にいて皆さんの質問に答えるべきだった」と述べた。同氏のタレントへの性加害行為について「鬼畜の仕業だ」と強く批判した。
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