11月10日、米軍制服組トップのチャールズ・ブラウン統合参謀本部議長は東京の米国大使公邸で記者会見を開いた。
ブラウン氏は米軍が関わっているロシア・ウクライナ戦争とイスラエル・ハマス戦争の両面作戦は、インド太平洋における米軍に影響を及ぼさず、米軍が中国共産党(中共)と対峙する能力に支障をきたすことはない。日本を含む同盟国との協力関係の拡大が、大きな自信を与えたと語った。
米ソ冷戦が終わり2010年代、米軍はそれまでとっていた「同時に2つの大きな戦争を戦う準備態勢を整える」というアプローチから脱却した。しかし、この変化によって、米国は欧州、中東、アジアで同時に起きる危機に完全に対応できるのかという懸念が生じていた。
こうした懸念について、ブラウン将軍は「アジア太平洋で我々が持っている能力はすべてインド太平洋司令部の下にある」と述べ「世界中で活動し、あらゆるシナリオを管理する」能力があると表明した。
また中国が台湾を占領しようとするリスクについて、ブラウン氏は「大規模な水陸両用作戦」によって台湾を武力で占領することは容易ではないと述べた。
しかし、習近平氏は必ずしも武力で台湾を奪うとは限らない。ブラウン氏は中国が軍事的、外交的、経済的圧力を強め、台湾に統一を受け入れさせようとする可能性を警告し、米国と同盟諸国はそれに注目しなければならないと指摘した。
台湾は米中関係における最大の争点の1つとなっている。 蔡英文総統が米上院議員と会談することを受け、北京は過去1年ほどの間に、台湾周辺で大規模な軍事演習を2回行った。バイデン大統領は、台湾が攻撃された場合、米国は2300万の台湾人の民主を守ると繰り返し述べている。
11月4〜8日まで、カール・ヴィンソン空母打撃群、ロナルド・レーガン空母打撃群と海上自衛隊は、フィリピン海で軍事演習を行った。
また11月3日、米海軍第6艦隊は過去3日間、ジェラルド・フォード空母打撃群とアイゼンハワー空母打撃群の軍艦と軍用機が、地中海東部で2個空母打撃群による合同演習を実施したと発表した。3日間の演習には1万1千人以上の米軍兵士が参加した。
このような実力は、米国以外の国にはない。
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