最近の独立した調査とそれに対する追加データによれば、10月に中国の消費が鈍化し、民間企業の信頼感が低下していることが明らかになり、経済回復の道筋は厳しいものになった。
パリを拠点とするリアルタイム経済情報会社「クァントキューブ・テクノロジー」による中国消費者のレジャーと交通機関利用に対する需要指標、および米国の「モーニング・コンサルト社」による消費者信頼度調査によると、中国国内の10月の数値は前月比で低下している。さらに、長江商学院が実施した民間企業の信頼度調査も、10月の信頼度が落ち込んだことを示していた。
これらのデータに加え、中国共産党の公式データは、10月のサービス業成長の減速と消費者物価の低下を示しており、北京が追加の財政刺激策を発表してもなお、中国の消費が低く、依然として困難であることを示唆している。
中国人の支出抑制傾向
中国経済の成長にとって消費の動向は極めて重要であるが、10月8連休の黄金週の休暇期間中の旅行支出は、依然としてパンデミック前の水準に届かず、不動産危機と経済への信頼感の欠如が内需を後押しするのを難しくしている。この状況は、下半期の中国の消費市場がマイナス成長の可能性に瀕していることを示している。
ベインキャピタル社が3千人の中国消費者を対象に行った調査によると、経済状況の不確実性を受けて、4分の3以上が今年の支出を削減するか、または現在の水準を維持する予定であることが明らかになった。
AP通信の報道によれば、北京の朝陽区でビリヤードホールを経営する石庚辰氏は、経済状況の悪化により、顧客が減少し、収入がパンデミック前の40%にまで落ち込んでいると述べている。
石氏は、「私の消費はそれほど多くない。お金を使いたいという気持ちは誰にでもありますが、使うためにはお金が必要です」と話している。
河北省石家荘市のコンビニで働く胡敏氏は、AP通信に対し、生活必需品以外の物は購入しなくなったと述べ、人々が以前のようにお金を使わなくなったと感じていると語っている。彼女は「恐らく、使えるほどの多くのお金がないからでしょう」と付け加えた。
「中国に対する信頼の急速な低下」
クァントキューブは、インターネット検索クエリや交通データ、消費者のレビューなど、人々の行動を反映する様々なデータソースに基づいて指標を作成する。この会社の報告書によると、「政府が最新の財政刺激策を発表したにもかかわらず、10月には全産業、特に交通運輸産業での継続的な減速が当社のデータから見て取れる」という。
モーニング・コンサルト社の報告書では、消費者信頼感指数(個々の消費者の経済状況、ビジネス状況に対する期待、購買態度について消費者に尋ねる指数)が2月以来初めて150を下回ったことが述べられている。
報告書は「中国に対する信頼が急速に低下している」とも付け加えている。
さらに、長江商学院の報告書によると、北京の民間企業景気指数は10月にわずかに減少し、信頼の臨界点を下回っている。この調査は、各業界で比較的成功している民間企業を対象にしている。
この調査の利益予想指数は5か月連続で信頼性閾値を下回っている。長江商学院は報告書で、「12年にわたる調査において、利益予想が長期にわたって信頼性閾値を下回ることは珍しい」と述べた。
中国、第4四半期初めの経済成長が減速傾向
ブルームバーグの報道によると、ゴールドマン・サックスの中国担当チーフエコノミストの閃輝(Hui Shan)氏を筆頭とするエコノミストたちは、購買担当者指数(PMI)が期待を下回り、輸出の減少幅が予想を上回ることから、9月から10月にかけての中国経済活動が鈍化する可能性があると報告した。
中国国家統計局が発表したデータでは、10月の公式製造業PMIが9月の50.2から49.5に低下し、拡大と縮小の境界となる50を下回った。財新社が発表した製造業PMIも49.5と、国家統計局のデータに一致している。統計局の貿易データによれば、中国の輸出額は6か月連続で減少し、10月の輸出額は前年同月比6.4%減少し、市場予想の3.5%減を大幅に下回った。
ゴールドマン・サックスのエコノミストたちは、11月初旬の住宅と鋼鉄需要の弱さを踏まえ、第4四半期初めの中国経済成長が減速していると指摘している。
最新のデータによると、中国の10月の消費者物価指数(CPI)は0.2%下落し、再びデフレ状態に陥っている。生産者物価指数(PPI)も引き続き下落しており、これは中国経済が内需を刺激し、経済成長を支えることが難しい状況を示している。
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