中国共産党統治下の中国において、その官僚は階級の上下に関係なく、みな腐敗しきっている。
以下は、遼寧省の警察官僚のトップからして汚職まみれであったことを伝える報道だが、それを驚くべきこととは全く言えないのが、中共中国の実態である。
5.55億元(約111億円)の賄賂を受け取った疑いで、今年10月に裁判にかけられた遼寧省公安庁の元トップ・王大偉の場合、その愛人宅に隠していた現金だけでも1億元(約20億円)が見つかったことがわかった。
王は2008年~2022年の14年間に、自身の公職上の権力や利便性の良さを使って、総額5.55億元以上の財物を不法に受け取ったとして、10月19日に収賄罪で起訴された。
王大偉が調査される際の中共当局の通報によれば、王は「裸官問題に対処するために、偽装結婚を行うなどして組織を欺き、また大々的に官職売買を行った。そのほか、生活も腐敗しており、モラルもない」という。
「裸官(らかん)」とは、中国国内に家族や資産を持たない腐敗官僚のことを指す。
つまり中国で不正に資産をため込み、その資産と妻子(あるいは愛人)を海外の先進国へ先に移しておく。タイミングを見計らって、自身も中国から脱出しようとする中国共産党員のことをいう。
不正蓄財した金と家族を海外へ移しておき、官僚である自分だけは形式的に中国に残っている。この様子が、まるで「裸の官僚」ということだが、いつでも国を捨てて海外逃亡する用意はしてあるのだ。
この「裸官」という新語が生まれて、すでに10数年になる。中共党員の腹の底はまさにこの言葉の通りであるが、中国経済の破綻が決定的となった今、いよいよ「裸官」の一斉逃亡が現実的になりつつあると言ってよい。
中国誌「中国新聞週刊」が複数の遼寧省警察関係者や商界の情報筋からの情報を引用して報じたところによると、遼寧省瀋陽市に住む王大偉の愛人宅だけで1億元(約20億円)以上の現金が見つかったという。
このほか、王の妹の邸宅からも大金が発見されている。
王の在職中、遼寧省の警察関係の官界では官職売買が横行していた。「このポストは、この値段」というように、明確な「お値段」が設定されていたという。
王に金を渡さなければ、本来、上のポストに昇進できる人物であっても昇進できない。遼寧省の警察組織内では「王に官職を売ってもらう値段は、50万元(約1千万円)から」というのが、もっぱらの噂だったという。
これまでのところ、遼寧省公安庁では、すでに4人の元庁長(李峰、李文喜、薛恒、王大偉)が失脚し、5人の元副庁長(白月先、劉楽国、劉家鐸、周朝東、董雪峰)が調査中である。
王大偉を含め、遼寧省の落馬(失脚)した元公安庁長3人は、いずれも1億元(約20億円)以上の賄賂を受け取っていたとされている。
遼寧省の政法系統(裁判所、検察庁、司法当局、公安当局、国家安全機構など)で落馬(失脚)した高官のほとんどは、かつて中共による法輪功学習者への迫害に積極的に関与したとして、米ニューヨークに拠点をおくNGO団体「追査国際(WOIPFG)」によって追跡され、法輪功情報サイト「明慧ネット」によっても名指しされていた。
実際、周永康や薄熙来がそうであったように、中共の公安関係で、法輪功迫害の首謀者や加担者、実行者は、いずれも目に見える形での裁きと厳罰を逃れられない。
とくに遼寧省は、かつて薄熙来が重慶に「独立王国」を築く以前に赴任していた省である。薄熙来は遼寧省長として、ここで法輪功学習者からの「臓器狩り」や人体標本製作をふくめ、法輪功迫害に恐るべき魔手をふるっている。
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