石川県の馳浩知事は10日、能登半島地震への義援金が5日足らずで13億円あまりに達したと発表した。「県民を代表して感謝申し上げます。ありがとうございます」と謝意を表明した。県は被災者支援のため、日本赤十字社石川県支部及び石川県共同募金会と連携して4日から義援金を受け付けている。
馳知事によると、義援金のほか支援物資も「全国津々浦々から」届いているという。これらは関係団体等で構成される石川県災害義援金配分委員会により配分基準等を決定し、市町を通じて被災者に送られる。
民間企業も寄付活動を行っている。「LINEヤフー」はクレジットカードを使った募金のための専用サイトを設け、15億8千万円が寄せられた。このほか、被災ふるさと納税の仲介サイトでは、石川県や富山県、新潟県など被災した自治体を支援するための特設ページが設けられている。
いっぽうで、過去の災害では福祉団体や公的機関を名乗る詐欺事件もあったため、消費者庁は募金団体の活動状況や義援金の使いみちを確認するよう呼びかけている。
石川県「被災地は新たな局面」
県は9日夕方の災害対策本部員会議で、知事は3連休を終え「被災地が新たな局面に入った」と言及。避難所の飽和状態や、新型コロナウイルス、インフルエンザなど感染症の発生による病院への患者の押し寄せに対し、病院の機能維持のため看護師などの人的支援の増強を求めると述べた。
さらに、災害関連死の防止に向け、避難者の健康管理に細心の注意を払い、1.5次避難所への迅速な移送を指示。避難所の運営に関しても、被災者に寄り添った対応と、2次避難所へのスムーズなマッチングを促した。
加えて、不要不急の個人ボランティアや訪問の自粛を呼びかけ、被災地の混雑を避けるよう呼び掛けも行った。馳知事は発災から10日目を迎える翌日に県民記者会見を行い、地震被害に関するメッセージを発信する予定。
国土交通省「陸・海・空の力を結集し対応」
斉藤国土交通相は9日夕方の会見で、甚大なインフラ網の損失について明らかにした。
高速道路3区間、国道や県道95区間の通行止め、土砂災害53件、JR西日本七尾線、のと鉄道でのレール損傷、能登空港のターミナルビルや滑走路の被害、そして港湾では約半数が使用不能となっている。このほか、津波による約120ヘクタールの浸水被害があるとした。
国土交通省は、発災直後より職員を派遣し「海上保安庁の巡視船艇・航空機や地方整備局から集結した『TEC-FORCE(テックフォース・緊急災害対策派遣隊)』などを用いて、陸・海・空の力を結集し対応している」と語った。今後も引き続き被災地への輸送ルートの確保や孤立地域の解消、支援物資の輸送、生活環境の改善、生活再建に取り組むという。
このほか、観光庁は、2次避難のための宿泊施設情報を石川県へ提供し、さらなる積み増しを迅速に行うとしている。また、移動の支援については、老人施設などから必要な方を福祉タクシー等で運ぶ計画で、これは厚生労働省と連携して取り組むとした。
住まいの確保に関しては、建設型の応急住宅が輪島市、珠洲市などで着工する予定で、業界団体や全国自治体との連携で支援を進めていくという。
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