1月18日、ダボス会議に参加しているサントリーの新浪剛史代表取締役社長はロイターに、中国について「反スパイ法違反で外国人が拘束されていることなどを踏まえ慎重にならざるを得ない」と述べた。これからはインドでの事業拡大を優先する方向だ。
新浪氏は、サントリーは飲料・食品事業を拡大するため、インドで現地パートナーを探しているとし、中国経済の低迷や地政学的緊張などの要因を考慮すると、「現状では投資拡大のために社員を派遣することはできない」と述べている。
ロビー団体の一つ、経済同友会の代表理事である新浪氏のこの発言は、中共政権下の中国市場における経営環境と、現地生産への過度の依存に対するグローバル企業経営者の懸念を表している。
昨年3月、中共は日本アステラス製薬の幹部だった西山寛氏をスパイ容疑で逮捕した。貿易摩擦や台湾海峡の問題で緊張が高まった日中関係は、さらに悪化した。
西山氏は中共から懲役12年の判決を受けた。日本の外務省によれば、現在5人の日本人が中国で拘束されており、2015年に反スパイ法が施行されてから、17名の日本人がスパイ活動関与の疑いで拘束されている。
新浪氏は、日本企業はサプライチェーンをベトナムや他の東南アジア諸国に移すことでリスクを最小限にしようとしているが、中国(中共)が一部の基本的な原材料の生産を支配しているため、その移行も「一朝一夕にはできない」と述べた。
サントリーは、新工場建設や既存事業の買収の可能性も視野に入れ、インド市場により多くの投資を行うつもりだ。
新浪氏は新工場建設や既存事業の買収もどちらも非常に実行可能だとしながらも「優れた地元提携先を探すことが非常に重要だ」と付け加えた。
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