米海軍空母2隻、海自護衛艦「いせ」 沖縄南方、フィリピン海で共同訓練 対中抑止強化

2024/02/01 更新: 2024/02/01

防衛省および米海軍は1月31日、米海軍空母2隻と海上自衛隊護衛艦が沖縄南方やフィリピン海で共同訓練を実施すると発表した。不安定化する朝鮮半島情勢や中国共産党の拡張に対し抑止強化を図っている。

米海軍の声明によれば、訓練はフィリピン海の公海で行われ、米海軍空母2隻「カール・ビンソン」および「セオドア・ルーズベルト」の各空母打撃群と、海自護衛艦ひゅうが型ヘリコプター運用駆逐艦「いせ」が参加する。防衛省の声明では訓練期間は1月29日~2月1日まで、海空域は沖縄南方としている。

双方は海上通信作戦、航空戦作戦、およびクロスデッキ飛行作戦を含む活動を通じて、海上での統合作戦と戦闘準備を強化する。

「米国と日本は、インド太平洋地域における相互の安全保障関心事項を支援するために、迅速に複数の大型デッキ海軍部隊を集結させる独自の能力を持つ」と司令官カルロス・サルディエロ少将は述べた。

「この訓練の目的は、米海軍との戦術的技能と相互運用性を向上させることだ」と第7護衛隊司令の清水徹海将は述べた。「我々の関係は地域の平和と安定に尽力している」

日米共同訓練は定期に行われ、前回は昨年11月に空母ロナルド・レーガンが海自護衛艦と共にフィリピン海で実施した。

空母2隻は現在、多国間で共有する平和維持のための地域構想「自由で開かれたインド太平洋」を支援するため、米国第7艦隊の作戦地域に展開している。

東アジアの情勢にはさざなみが起きている。1月の中華民国(台湾)総統選挙では現状維持を唱える民進党の頼清徳氏が勝利し次期総統となるが、中国共産党側は「平和の脅威」と例え、台湾への圧力を強める構えだ。

台湾国防部は1日、過去24時間に台湾周辺で33機の戦闘機を含む人民解放軍の軍機の飛行を確認したと発表した。選挙後、米国の超党派議会代表団が訪台しており、反発を示してい。

朝鮮半島情勢も懸念が高まっている。北朝鮮の朝鮮労働党中央委員会総書記・金正恩は韓国を「第一の主敵」と宣言し、1月24日以降、3度のミサイル発射を行った。さらには兵器供与が指摘されるロシアとの軍事協力関係を深めている。

米国防総省報道官は28日、北朝鮮のミサイル発射を含む行動は「威嚇的で無責任」であるとし自制を促した。加えて「韓国と日本との防衛公約は鉄壁だ」と述べ、安全保障における日米韓の連帯を強調した。