旧正月に伴う長期休暇の期間中、中国各地の有名な寺院や霊山には、経済低迷にあえぐなか、なんとか「神頼み」しようとする参拝客で賑わった。
このほど、文殊菩薩の聖地として、古くから中国人の信仰を集めている霊山・五台山(山西省)で、とても「文殊の知恵」とは言えないような悪知恵が発覚し、物議を醸している。
この五台山の景勝地に観光客用の休憩室があり、ウォーターサーバーの「飲用水」が置かれていた。観光客が飲む水であるが、映像に見られる状況から判断して、五台山のこの休憩室では、一応「無料サービスの水」ではあるらしい。
しかし、そのウォーターサーバーの水が「実は、トイレでつめてきた水道水だった」ことが、ある観光客の目撃証言で発覚し、物議を醸すことになった。
今月13日、五台山を訪れた唐さん(女性)は、自身が目撃した様子を、次のように語った。
「五台山の女性職員が、女子トイレのモップ洗い場のシンクの蛇口にウォーターサーバーのボトルをつけて水を入れた。その後、ボトルを休憩室のウォーターサーバーに戻した」。唐さんは、その際の証拠動画をSNSに投稿した。
この動画がネット上で注目されると、五台山の職員は「確かに、あの行為はあまりよろしくない。上に報告するつもりだ」と回答した。その一方で「うちの景勝地の水は山の湧き水だ。景勝地のスタッフや地元住民は、いつもこの水を飲んでいる」と主張している。
しかし、この五台山の職員の回答に対しては「納得できない」という声も少なくない。
水道水をそのまま飲める日本とは異なり、中国の水道水は衛生状態が悪い。
そのため、中国人には生水(水道水)を直接飲む習慣がなく、必ず沸かして湯茶にして飲むか、ペットボトル入りの水を買って飲んでいる。
(トイレの水道水をボトルにつめて、ウォーターサーバーに設置する女性スタッフ)
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