3月11日、上川外相は経団連の会合で講演を行った。中共(中国共産党)による「経済的威圧」を念頭に、官民が一体となって情報交換を行う新たな体制を構築すべきだと述べた。経済外交の新たなフロンティアの開拓にチャレンジする組織を強化する考えを示し、「失われた30年」を反転させる方針だ。
上川氏は、外交を通じて日本経済の成長を促す方針を打ち出した。「縦割りの打破が最大の課題だ」と述べ、経済外交強化のための「共創プラットフォーム」を構築していく考えを示した。
具体的には、在外公館と外務本省が有するネットワークを強化し、有機的に結合させる。その上で関係する全てのステークホルダーが緊密に情報交換を行い、効果的な連携を目指す。また、日本企業の海外進出を応援し、企業側の事情やニーズに呼応できるよう、経済広域担当官の設置を検討し、日本企業と日本人研究者等の現地のアカデミアとの連携をサポートすると表明した。
上川氏は、日本が強くしなやかな経済力で世界に存在感を示せるよう、外務省のリソースを動員し、経済界との協力を一層していきたいと決意を述べた。
地政学的競争、気候変動、AIなど先端技術の急速な進展にも言及し、「次の世代により良い世界、すなわち、『人間の尊厳』が尊重される社会を残していく」意気込みを示した。
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