コロナワクチン接種者からの輸血に関するリスク、日本の研究者らが懸念示す

2024/03/18 更新: 2024/03/22

14日、日本の旭川医科大学、東京医科大学病院、東京理科大学などの研究者らが、新型コロナのmRNAワクチン接種者からの輸血に関する懸念事項と、それに対する推奨事項を提案したプレプリント(査読前論文)を発表した。

厚生労働省は昨年12月付けの発表で、ファイザー社やモデルナ社などのmRNAワクチンに関しては、接種後48時間が経過してからの献血を呼びかけている。

しかし現在、新型コロナワクチン接種後の健康被害の報告は増えており、厚生労働省の予防接種健康被害救済制度ではすでに6598件(15日公表分まで)が認定されている。これまでの全てのワクチン(新型コロナワクチン以外)での認定数が3649件(1977年2月〜)であることを踏まえれば、事態の深刻さが伺える。

mRNAワクチンの人体への影響に対する懸念が高まるなか、今回の論文では、「接種者からの輸血」に関係するリスクを示し、そのリスクを軽減するための提案を行なっている。

筆頭著者の上田潤氏(旭川医科大学准教授)はエポックタイムズ に対し、これまでも同様の懸念を示した研究があったことを指摘した上で、「我々の論文は、過去の知見を統合して、具体的な対策を提示しています」と語った。「遺伝子ワクチン接種歴を公式記録として保存して、懸念される各種項目の血液検査等を実施して欲しいというのがメイン・メッセージです」

論文著者欄には、かねてよりmRNAワクチンのリスクについて警鐘を鳴らしてきた東京理科大学名誉教授の村上康文氏や京都大学名誉教授の福島雅典氏らが名を連ねている。

「輸血が危険だと断言しているのではありません。あくまでスパイクタンパク質や他の要素に関する“懸念”を示したまでです。そのことに注意していただきたいです」と上田氏は述べた。医療関係者に様々なリスクの存在を「認知」させること、また関連する問題に取り組む議員連盟や関係省庁が議論を深める上での統一見解を提示することが、今回の論文の重要な目的だという。

「遺伝子ワクチンに様々な問題があることは既に明らかになってきたので、今度はそれらをどのように“制御”するかが極めて大切な課題となります。問題解決に向けて具体的に動き出す時にきています」と上田氏は強調した。

遺伝子ワクチンによる様々な疾患

2020年、世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス感染症のパンデミックを宣言した。その重要な解決策として、「遺伝子ワクチン接種プログラムが世界規模で急ピッチで実施された」ことを、論文著者らは論旨で述べている。

「しかし世界各国では、いわゆる遺伝子ワクチンによって、接種後の血栓症やその後の心血管障害、さらには神経系を含むあらゆる臓器・器官を巻き込んだ様々な疾患が報告されている」

「このような状況や近年明らかになってきた多くのエビデンスを踏まえ、ロングコビッド(コロナ後遺症)に罹患した人や、mRNAワクチンを含む遺伝子ワクチン接種者由来の血液製剤を用いた輸血に伴う様々なリスクに関して、医療関係者の注意を喚起し、その具体的な検査、検査方法、規制などについて提言する」と論旨で述べられている。

輸血に関連するリスク

新型コロナのmRNAワクチン接種者に由来する血液製剤の使用に伴うリスクについて、論文では次のように指摘している。

まずは、スパイクタンパク質がもつ毒性だ。SARS-CoV-2(新型コロナのウイルス名)のスパイクタンパク質は、遺伝子ワクチンの抗原として使用されている。

論文には「スパイクタンパク質には、赤血球凝集や血小板凝集への影響、アミロイド形成、神経毒性といった様々な毒性があることがすでに判明している」とあり、スパイクタンパク質そのものが持つ毒性を認識することが肝要だとしている。

「スパイクタンパク質は血液脳関門(脳を守るバリアとして重要な働きを担っている)を通過することも報告されている。したがって、遺伝子ワクチンに由来するスパイクタンパク質そのものを血液製剤から除去することが不可欠だ」

また、スパイクタンパク質によって形成されたアミロイド凝集体や微小血栓を血液製剤から除去する必要もあるという。

論文ではmRNAワクチンによって免疫機能不全を引き起こすことも示唆している。複数回接種による「免疫の刷り込み(以前さらされた初期段階のウイルスに免疫がロックされ、変異株に対する免疫が妨げられること)」や抗体依存性感染増強(ADE:体内にできた抗体がウイルス感染や症状をむしろ促進してしまう現象)、IgG4等への抗体の「クラススイッチ(動画をご参照ください)」などだ。これらの現象によって特定の病原体や自己免疫反応に対する感受性が高まる可能性があるほか、IgG4関連疾患は慢性的な炎症を引き起こすという。

さらに、mRNAの送達媒体である脂質ナノ粒子は、「炎症性が高く、それ自体に血栓形成性があることが判明しており、十分な待機期間を設けずに採血した場合、レシピエント(輸血を受ける患者にリスクをもたらす可能性がある」と論文は指摘している。

血液製剤に関する具体的な提案 

これらのリスクにどのように対応すべきか、論文は以下のような具体的な提案を行なっている。

安全性評価のための検査実施

副作用を特定するためのスパイクタンパク質、ワクチン成分、免疫マーカー、および潜在的な神経毒性指標のスクリーニングをし、血液製剤の安全性を評価するための検査を実施すべきだとしている。

厳格なデータ管理

徹底的かつ継続的な調査が必要であるため、すべてのドナー候補を登録し、血液製剤のトレーサビリティー(商品の生産から消費までの過程を追跡すること)を確保し、厳格に管理する必要があり、ドナーから新型コロナの感染歴とワクチン接種歴を厳密に聞き取ることが不可欠だという。

コホート研究

様々な副作用に関する長期のモニタリングとコホート研究を実施すべきとしている。

ガイドライン作成と情報交換

日本血液学会や日本輸血・細胞治療学会など関連団体による、これらの血液製剤の取り扱いに関するガイドラインの作成が急務だという。国内の行政機関や国際的な医学会と連携し、これらの血液製剤の輸血リスクに関する情報交換を行なっていくことが必須だとした。

関連法の整備

また、関連法を整備し、接種状況や接種日時をチェックし、血液製剤の輸出入に関する法的規制などの措置によってリスクを回避するための規則を策定することを論文は提案した。

論文の結びはこうだ。「遺伝子ワクチンによって引き起こされる健康被害はすでに極めて深刻であり、今は各国や関連組織がリスクを特定し、それを制御し解決するために、共同で具体的な措置を講じる時期だと言えるだろう」

薬害エイズとの比較で論じる声も

一昨年、米国の病理学者ライアン・コール博士は、mRNAワクチン接種者由来の血液製剤に関する不透明さを、1980年代の薬害エイズと比較して論じていた。80年代当時、HIVに汚染された血液製剤が輸血に使用され、多くの患者がHIVに感染した。

米国のワクチン安全性研究財団の事務局長であるスティーブ・カーシュ氏は、2022年12月付のサブスタックの記事で、コール博士にワクチン接種者からの血液供給の安全性について尋ねた際の博士からの返答を引用している。コール博士の返答は次の通りだ。

「(安全性については)誰にも分からない。ワクチン未接種者は輸血後に大きな血栓ができて死亡した。血液バンクはチェックされていない。探さなければ見つけることはできない。これは、1980年代の血液バンクや血友病患者、HIVと似ている。問題ないかもしれないし、問題かもしれない。体内を循環するスパイクタンパク質をチェックするための学術的な測定法は利用可能だ。科学的な調査なしに官僚の声明に基づいて血液供給の安全性を保証しないことは、犯罪的過失だ」

エポックタイムズが本件について日本の厚生労働省に問い合わせたところ、現時点では記事冒頭で示した昨年12月付けの発表通りの見解に変わりはないとのことだった。「研究が進み、懸念の声が上がれば、審議会を開き改訂版を発表する」との返答だった。

 

大紀元報道記者。東京を拠点に活動。