フィリピン上院が質問 バンバン市長に中国共産党のエージェント疑惑が浮上

2024/05/26 更新: 2024/05/26

フィリピンバンバン市のアリス・グォ市長が、海外における中国関連の詐欺活動に関与している疑いでフィリピン国会上院で質問を受けた。グォ市長は中国共産党のエージェントではないかと疑問視されている。

BBCの報道によると、バンバン市内のオンラインカジノ事業(Pogo)が、裏では海外詐欺組織をしていたことが判明した。

昨年3月、警察は詐欺の拠点を強制捜査し、詐欺に巻き込まれた約700人を救出した。このうち中国人202人、その他73人の外国人がオンライン恋愛詐欺を働くことを強要された。

捜査当局は、グォ市長がPOGOの土地の半分を所有しており、オンライン詐欺の拠点が市長のオフィスの裏にあることを突き止めた。しかしグォ市長は市長選挙に立候補する2年前にその土地を売却したと主張している。

敷地は約8ヘクタール、拠点には雑貨店、倉庫、プール、さらにはワインセラーも完備され、従業員は、白い長テーブルに並べられたコンピューターで作業を行っていた。

フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ前大統領の下で隆盛を極めたPogo産業は、現大統領フェルディナンド・マルコス政権下で調査されている。というのも多くのPogoがその裏で人身売買やオンライン詐欺していることが発見されたためだ。

上院の聴聞会では、グォ市長は自身の背景について曖昧な回答をし、リサ・ホンティベロス上院議員が「彼女は中国共産党のエージェントではないか」との質問をぶつけた。

16日の夜遅く、フィリピンのマルコス大統領は記者会見でグォ市長のケースについて懸念を表明した。

マルコス大統領は「誰も彼女のことを知らない。私たちは彼女がどこから来たのかを知りたい。これが、私たちが移民局と協力して彼女の国籍問題を調査する理由だ」と述べた。

上院での質問に対し、グォ市長は最終的に、彼女の出生証明が17歳のときに地元政府に登録されたことを認め、自分が病院や診療所ではなく家で生まれたためだと説明したが、詳細情報を提供できなかった。

ハンディフロス上院議員は、グォ市長の回答、特に彼女の経歴にショックを受けたという。「グォ市長や彼女のような謎めいた経歴を持つ人々は、中国(共産主義)国家のために働いているのか?  フィリピンの政治に影響を与えるために、わが国に送り込まれたのか?」

グォ市長のケースは、南シナ海の領土問題における中国との緊張関係が続く中、国際的な注目を集めている。

マルコス大統領は「私たちは法執行を強化するつもりだ。法律は存在しているが、問題は、ある人々が外国人が金を持ち込むと考えているか、または彼らが賄賂を受けとっているということだ」と指摘した。

趙鳳華