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中国の農村で子供たちに「賞味期限切れ」の米を食べさせる企業

2024/10/12 更新: 2024/10/12

中国重慶市にある国有企業傘下の企業が「賞味期限切れ」の米を現地の農村部の学校に販売していたことがわかった。複数の中国メディアが報じた。

事件発覚のきっかけは、元職員による内部告発。

「重慶糧集団酉陽県糧食有限責任公司」の職員であった龔さん(男性)は退職後、中国メディアに対し、「会社は収入を増やそうとして、業績を上げるために、コメ倉庫に蓄えていた味期限切れの米350トンの包装を新しくして農村部の小学校(留守児童が多い)や市場に販売した」と訴えた。

「昨年6月、仕事中にその中身すり替え作業を目撃した」という。「会社職員らは生産年月日2022年10月16日の米を2023年5月5日および2023年5月10日生産と印刷した新しい袋に入れ直して、封をしていた。

「目撃当時はまだ会社に勤めていたため、報復を恐れて告発する勇気はなかった。今年5月に退職後、現地の市場監督当局にこの問題について報告したが、6月に『証拠不十分だから立件できない』との回答が返ってきた。この件は、今でも明確な処理結果が出ていない」

「会社が消費者に害をもたらすような違法なことをしているのに」と龔さんは、当局の不誠実な対応に怒り、中国メディアに訴えた。

 

問題のコメ倉庫(中国のネットより)

 

事件が明るみになった後、現地の市場監督当局の責任者は「その会社には確かに違法行為は存在していたが、告発内容の全てが真実ではない」とし、「案件はまだ調査中」と答えた。

 

絶えない食品安全問題

中国では近年、食品安全の問題が絶えない。しかし、正義などより「社会の安定維持」を重んじる当局は、たいていは大企業側の利益を守り、庇う。告発者は弾圧され、関連ニュースを封殺する。

7月2日、中国メディア「新京報」は、中国中央企業が石油用のタンクローリーを、食用油の輸送にも使っていたと報じた。

「行きは液体燃料を積載し、荷下ろしをした後、帰りは食用油を積んで帰る。しかも経費と時間がもったいないから、タンク洗浄はしない」という衝撃的ニュースに、中国社会はこの話題で騒然となった。

中国国務院(最高行政機関)は8月25日、「他に同様の問題は見つからなかった」とする通達を出し、この件は葬られた。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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