社会問題 これらの事件は中国のネット上で「検閲」で隠されているが、人々は「政府に立ち向かえ」と叫んでいる

【動画あり】北京の小学校前で子供を狙った「無差別切りつけ事件」の容疑者「司法の不公を受けた」と訴える

2024/11/07 更新: 2024/11/08

 

【閲覧注意】本記事には、残虐な映像や画像があります。

ご注意ください。

先月28日15時20分ごろ、北京市海淀区にある小学校「中関村第3小学校」の校門近くの交差点で、無差別切りつけ事件が発生した。現地警察によると、被害者は5人(うち3人は未成年)で、いずれも命に別状はないという。

当局発表では言及されていないが、現場目撃情報によれば、被害者のうち3人は小学生である。5人のうち、1人は首を切られ、もう1人は手の指を切られ、さらに別の1人は背中を切られた。その中で、2人は重傷だ。

この事件は中国のネット上で検閲に遭っており、犯行の動機についても公表されていない。

 

事件が起きた小学校(NTD新唐人テレビより)

 

一部の中国メディアは容疑者の男(唐、50歳)は「事件が起きた小学校の元警備員であり、クビにされたことを恨んで犯行に及んだ」と、ネット情報引用して報じているが、ネット上に流出した現場映像からして、事情はそう単純ではないようだ。

「容疑者取り押さえ」の場面を映した動画の中には、すでに複数の市民や警備員によって地面に押し付けてられる容疑者の男がいた。その周囲の地面には血痕や血を拭いたと思われるティッシュペーパーなどが散乱している。

 

取り押さえられた容疑者と思われる男(動画よりスクリーンショット)

 

ある市民の男性は「なぜ人を切ったのか?」と怒って容疑者の男を問いただす。すると、容疑者の男は「公検法が私にそうさせたんだ」と答えていた。そう聞いた市民の男は容疑者を蹴り上げ、「あいつを殴れ!」という女性の声も映像に入っていた。なお、容疑者の男が口にしていた「公検法」とは公安・検察・裁判の総称で、つまり司法で何らかの不公正を受けたと思われるという事だ。

 

(「容疑者取り押さえ」の場面)

 

近年、中国各地で様々な凶悪事件、一家惨殺事件、無差別殺人事件、社会報復事件、自殺が頻発している。容疑者の多くは当局から不当な扱いを受けて最終的に「社会への報復」に転じている。

 

逆走「コンクリート・ミキサー車」・青島

事件1週間程前の10月23にも山東省青島市の街中で、逆走しながら通行人や付近車両を無差別にひく「コンクリート・ミキサー車」事件が起きた。50台以上の車が轢き飛ばされたといわれている。

容疑者は犯行当時、ライブ配信を行っていた。運転席の様子を映したその映像のなかには、進行方向にある別の車両が次から次へと轢かれていく様子や、「共産党のせいで私はもう生きられない、殺してやる!」などと口汚く罵りながら運転する狂気の男の声が入っていた。

「無関係な人を巻き込むな、政府に立ち向かえ。ここを出て左へ曲がれば政府だ」

このセリフは無関係な市民が巻き込まれる社会報復事件などのトピックスに、コメントとして、必ずと言っていいほど、寄せられるものだ。

「政府に立ち向かえ」という言葉は、今の混乱した時代に生きる人たちの本音を表している。さらに、この言葉は皮肉としても使われるようになっている。

 

(「共産党のせいで私はもう生きられない、殺してやる!」などと口汚く罵りながら運転する狂気の男、ライブ映像の様子)

 

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李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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