ホンダと日産の統合案 BYDへの対抗力強化の可能性

2024/12/27 更新: 2024/12/26

ホンダ日産の統合案が注目を集めている。25日に発表された販売データによると、この統合は両社に、中国の自動車メーカーであるBYDと競争するための規模をもたらす可能性がある。

統合でBYDに対抗できるか?

今年1月から11月まで、ホンダは世界で343万台を販売し、日産は約305万6,000台の販売実績を発表した。同期間、中国の競合企業BYDは376万台を販売しており、ホンダと日産が統合すれば、BYDに対抗して上回る規模を形成する可能性がある。

両社は中国市場で苦戦を強いられ、単独で競争するのが難しい状況に直面している。ホンダは11月、中国での販売が前年同期比で28%減、生産は38%減少。日産も同月、中国での販売が15.1%減、生産は26%減少した。

グローバル市場でも状況は厳しい。ホンダの11月の世界販売は前年同期比6.7%減の32万4504台、生産は20.4%減少した。日産の11月の世界販売は1.3%減の27万8763台、生産は14.3%減少している。

日産は先月、世界の生産能力を20%削減し、9000人規模の人員削減を発表。これは全従業員の約7%に相当する。また、年間営業利益の見通しを1500億円に引き下げ、これは今年初めの17%に続く2度目の下方修正となった。

2026年の統合計画

23日、ホンダと日産は2026年の統合について協議していると発表した。この統合は日本の自動車業界における歴史的な転換点とされ、中国のEVメーカーが、日系メーカーに与える脅威を浮き彫りにしている。

両社の幹部および日産提携先の三菱自動車の社長が、東京で記者会見を行い、2024年6月までの合意締結を目指し、2026年8月には統合持株会社を設立すると発表した。統合後の自動車販売台数では、トヨタやフォルクスワーゲンに次ぐ世界第3位の自動車グループとなる見込みだ。この持株会社は上場し、ホンダと日産は上場廃止となる予定だ。

ホンダの三部敏宏社長は、中国の自動車メーカーや新規参入社の成長が自動車業界に大きな変化をもたらしていると指摘。「2030年までに競争力を構築しなければ、敗北するだろう」と危機感を語った。

BYDの成長と中共政府の支援

ドイツのキール世界経済研究所によれば、中国共産党政権は国内産業、特にEVや風力発電などのグリーン技術分野に多額の補助金を提供。その恩恵を受けたBYDは、技術力や生産能力を大幅に向上させてきた。直接補助金は34億ユーロ(約5586億円)に上るという。


 

中国共産党政権はグリーン・テクノロジー産業において、主導的な地位を占める企て、グリーンテクノロジー分野に多額の補助金を出している。電気自動車(EV)メーカーのBYD(比亜迪)は中国共産党から34億ユーロ(約5586億円)の直接補助金をもらった。



中国BYD 、5千億の補助金で市場シェア拡大 キール世界経済研究所

中国共産党政権はグリーン・テクノロジー産業において、主導的な地位を占める企て、グリーンテクノロジー分野に多額の補助金を出している。電気自動車(EV)メーカーのBYD(比亜迪)は中国共産党から34億ユーロ(約5586億円)の直接補助金をもらった。

しかし、中国EV業界の勢いにブレーキがかかっている。

アメリカは9月27日、中国製EVへの関税を25%から100%に引き上げた。EUも10月30日から最大45.3%の関税を課すことを決定している。7月、ブラジルは電気自動車(EV)の輸入関税を10%から18%に引き上げ、2026年7月までにさらに35%へ引き上げる予定を発表した。同時期、トルコも中国から輸入されるEVに対し、40%の追加関税を課すことを決定した。

張婷
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