日産自動車は11日、内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)が4月1日付で退任すると発表した。後任には、現在チーフ・プランニング・オフィサー(CPO)を務めるイヴァン・エスピノーサ氏が就任する。内田氏は6月1日の定時株主総会まで取締役として留任する。
日産は今年2月、2025年3月期通期の業績予想について、最終利益が800億円の赤字になる見通しを発表した。
業績の低迷を受け、ムーディーズは2月21日、日産の信用格付けを投資不適格級(ジャンク)に引き下げ、見通しをネガティブとした。これに続き、フィッチ・レーティングスも2月26日、日産の格付けをジャンク級のBB+に引き下げ、S&Pグローバル・レーティングも3月7日にBBへと引き下げた。各社は日産の収益性の低迷や市場での競争力の低下を指摘し、短期間での回復は困難との見方を示している。
内田氏は2月13日の記者会見で、「業績改善に1日も早くめどをつけ、可及的速やかに後任にバトンタッチしたい」と発言しており、今回の交代はその流れを受けたものとみられる。
新社長に就任するエスピノーサ氏は、これまで商品企画を担当するチーフ・プランニング・オフィサーとして日産の開発戦略を主導してきた。新体制のもと、日産が経営の立て直しに成功するのか、その手腕が試されることになる。
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