防衛省統合幕僚監部は2025年6月26日、中国のものとみられる無人機2機が日本の南西諸島周辺空域を飛行したと発表した。発表によると、同日午前から午後にかけて、1機の推定中国無人機が東シナ海から飛来し、与那国島と台湾の間を通過して太平洋に達した後、太平洋上で反転し、再び与那国島と台湾の間を通過して東シナ海へ戻ったことが確認された。さらに、別の推定中国無人機1機も太平洋から飛来し、同じく与那国島と台湾の間を通過して東シナ海に至ったという。
これらの動きに対し、航空自衛隊南西航空方面隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)し、対応した。防衛省は、領空侵犯の恐れがある外国機が確認された場合、有人機・無人機を問わず戦闘機を緊急発進させて対応しているが、無人機の飛来が増加する中、対応の効率やコスト面で課題も指摘されている。

中国の無人機による南西諸島周辺の飛行は年々増加傾向にあり、2024年度には確認された中国無人機の数が2021年度比で7倍の30機に上ったとされる。無人機の活動範囲も拡大しており、与那国島と台湾の間を通過し太平洋と東シナ海を行き来するケースが増えている。これらの無人機は主に偵察能力を持つが、一部には攻撃機能も備わっているとみられる。
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