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経済崩壊、失業、家庭不和、格差の拡大──。中国社会では「逃げ場のない閉塞感」が市民の心を蝕んでいた。
6月26日午後1時ごろ、中国・北京市の小学校前の交差点で、小学生らの列に車が突っ込む惨事が発生した。6人の児童が死亡、11人が死傷したとされる。子どもたちは、託児施設から学校に戻る途中で、道路を横断中だった。
現場はランドセルや靴が散乱し、血まみれの惨状に目を覆う。車は、歩道を暴走し、大木とフェンスに激突して停止し、車体は地面から浮き上がった。

警察は「運転ミス」と説明し、具体的な死傷者数は明かさなかった。いっぽうで、目撃者は大紀元に対し、「運転手の男は車内で妻と口論の末、衝動的に突っ込んだ」と証言し、つまり「社会への報復だった」らしいという。
事件後、当局は、今回も即座に情報封鎖し、動画や画像は次々削除されたが、かえって市民の不信感は強まった。
(現場の様子①、2025年6月26日、中国・北京市)
(現場の様子②、2025年6月26日、中国・北京市)
北京では先月(5月)にも、別の小学校前で同様の車両突入事件が発生。SNSでは「十数人がはねられた」と騒がれたが、警察は「軽い接触で4人負傷」と発表。真相はいまも闇の中だ。
中国ではこうした事件が起きるたび、SNSの投稿が、即座に削除され、報道も警察発表をなぞるだけ。市民が怒りを表明する場所は消され、心の叫びは社会のどこにも届かないのだ。
結果として、怒りと絶望は、底辺で暴力として形を変え、通行人、小学生、無関係の市民がその犠牲になる。
声を奪われた社会は、やがて「無言の叫び」が暴力という形で噴き出す──その現実が、いま目の前にあった。

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