昆明夜市で屋台主と警察が衝突 鍋や皿が飛び交い混乱生じる

2025/10/02 更新: 2025/10/02

先週末、中国・昆明市の「海楽世界夜市」で、屋台主と警察の間で激しい衝突が発生した。地元政府が「改善」を名目に夜市を閉鎖した上、新しい業者を募って出店料を徴収したことから、屋台主らの怒りが爆発し、双方が対立した。鍋や皿をはじめとする調理器具が投げつけられ、現場は大混乱となり、衝突はおよそ6時間にわたり続いた。

現場の映像には、暗闇の中、多くの警察官が駆けつけ、秩序を保とうとする様子が映っている。屋台主らは警察に向かって物を投げ、ベンチや椅子、木の板、さらには鍋や皿などが宙を舞った。地面には散乱物が広がり、混乱は一層激しくなった。衝突は断続的に約6時間続き、増援の警官も多数投入され、現場で次々と逮捕が行われた。混乱が収まり始めたのは翌日午前3時頃であった。

関係者によると、海楽世界夜市は、屋台主たちが長年の苦労の末、わずかな収入から徐々に商売を拡大し、ようやく活気を取り戻してきた場所であある。屋台主らが強く反発したのは、夜市が軌道に乗り始めた矢先に、市政府が「改善」を理由に夜市を強制的に閉鎖し、出店料を徴収しようとしたことだ。

屋台主らが指示に従って登録手続きを進めようとしたところ、400以上の出店枠の中に元の屋台主ではない業者が多数含まれていることに気づき、納付を拒否した。

また、屋台主らはこれまでに1万元(約20万円)以上を負担してきたにもかかわらず、政府が繰り返し方針を変更し、料金を支払った後も都市管理部門の担当者に追い出されるなど、何の保障も受けられていないと訴えている。多くの屋台主にとって夜市は家族の唯一の収入源であり、長期の休業は生活を直撃し、厳しい状況に追い込んでいるという。

夜市の屋台主のひとりは「私は死を恐れてはいない」と語った。

目撃者によると、先週土曜日、「改善作業が終了した」と知った屋台主たちは、元の場所に戻って営業を再開した。午後9時ごろ、城管が大勢で夜市に現れ、屋台主らを追い出そうとしたが、屋台主らは抵抗し、双方は激しく衝突した。その後、多くの警官が駆けつけ、現場はさらに混乱した。一方で、多くの市民が見物に集まり、動画をインターネットに投稿した。

多数の屋台主が警察に殴られたり逮捕されたりし、生計手段である屋台も城管によって撤去された。

現在のところ、中国共産党政府や国営メディアは、市民と警察の衝突について何の発表も報道も行っていない。しかし、この出来事はネット上で広がり、多くの注目を集めている。

あるネットユーザーは「夜市の鍋や皿は本来、人々の暮らしを彩る花火の音だったのに、一晩で城管との戦いの武器になってしまった。これこそが生き抜くための戦いだ」「政府は資金が尽き、露骨に取り立てを始めたのだ」と書き込んでいる。

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