前回取り上げた「ミス広東」騒動は沈静化するどころか新たな混乱を生んでいる。
主催側が後になって説明を出した一方で、企業も審査員も「うちは関係ない」と一斉に距離を置き始め、世論の疑念はかえって広がる結果となっている。
11月16日、広東省・深セン市で「第28回国際モデル大会(中国総決勝)」が幕を閉じた。大会のステージでは、広東地区代表として15番の女性が「広東チャンピオン」として紹介された。
動画には、冠、たすき、優勝証書を手に堂々と登壇し、強いライトを浴びながらTステージを進み、観客や審査員に挨拶する姿が鮮明に映っている。

しかし、この「ミス広東」をめぐってネットは騒然。
【これらの反応はいずれもSNSユーザーの感想であり、受賞者本人を否定する意図はない】
「見た瞬間、え?!」「二度見した」と驚きの声が飛び交い、「審査基準はどこへ」「何をもって優勝なのか」と疑問が広がった。
大会終了から3日後の19日、主催側は当初の発表を覆す形で突然の釈明を開始した。説明は「15番の女性は広東チャンピオンではなく主婦の部の優勝者で、本来の広東チャンピオンは37番の女性。スタッフが誤って優勝者用の証書とトロフィーを渡した」というものだった。
しかし、釈明が出た直後から、今度は大会に関わったとされた企業が次々と「うちは知らん!」と言い始めた。
中国メディアが大会名義に載っていた7社に電話取材すると、ほぼ全社が運営への関与を否定した。実際、名義に連なっていたのはガス工事会社、生活用品会社、テクノロジー企業、文化イベント会社、金属部品メーカーなど中小企業が中心で、「協賛金は出したものの、大会の内容はほとんど把握していなかった」という。
(「広東チャンピオン」とされた15番の女性選手)
追い打ちとなったのは、審査員として名前が載っていた元モデルの李富紅氏が「採点には参加しておらず、審査にも関わっていない」と明かしたことである。
つまり、スポンサーも審査員も「知らない」と口を揃え、大会の実態はますます不透明になった。
こうした展開を受け、ネットの批判はさらに激しくなった。
「賞状を間違えた?そんな都合のいい話があるか」
「会場の誰も気づかなかったなんて無理がありすぎる」
「スポンサーも審査員も全部『知らない』とはどういう大会なのか」
さらには、「最初から勝者を決めていたのでは」「お金を受け取って優勝者を決めたのでは」との疑いまで出ている。
結局、一番はっきりしたのは、誰も全体を把握していなかったという事実だけで、事件の真相は依然として闇の中である。
なおネット上の反応は大会運営の説明不足に対するものであり、受賞者本人を攻撃する意図はない。

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