中国の大型通販セール「ダブルイレブン」で、スマートフォンや家電メーカーとして知られるシャオミ(小米)は、大手通販サイト内の自社公式ショップで、数秒で完売するタイプの超特価セール(中国で「秒殺」と呼ばれる企画)を実施し、冷蔵庫を11.11元(約250円)で販売した。
11.11元という金額は、ダブルイレブンの日付「11月11日」に合わせたキャンペーン価格とみられ、多くの利用者が「この特価で買えた」と報告した。
しかし注文に成功したにもかかわらず、後日シャオミ側は「システム設定の誤り」を理由に発送を拒否し、補償として30元(約600円)だけを提示した。

このトラブルは各地で相次いでいるとされ、中国の複数メディアも報道している。江西省、河南省、浙江省など別々の地域の利用者が同じような体験を語り「最初からできないならやるな」と不満の声を上げた。
通販サイト側は「注文が成立した以上、販売者には発送義務がある」と説明しているが、シャオミは応じていない。
市場価格が800元前後(約1万7千円)の冷蔵庫が、11.11元で「数日間も」表示されていたことから、ネット上では「単なるミスとは思えない」「最初から売る気のない『釣り価格』だったのでは」という疑いも出ている。
中国の評論家やSNSでは「企業の信用を失う損害は、冷蔵庫数台の赤字よりはるかに大きい」「仕掛けたキャンペーンを守らない企業に未来はない」など厳しい指摘が相次いでいる。
信頼を失えば、次のキャンペーンに誰も振り向かなくなる。今回の対応は、シャオミにとってそれほど重い一手となった。
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