2025年12月日本輸出は円安で5.1%増、4カ月連続拡大も対米11%減で貿易黒字1057億円に縮小。対中赤字急拡大、日銀金利0.75%の影響は?財務省最新統計を詳報。経済成長率上方修正の今後を分析。
日本の財務省が本日(1月22日)に発表した最新の貿易統計によると、円安の進行による価格競争力の高まりと、一部海外市場での需要回復を背景に、去年12月の日本の輸出額は前年同月比5.1%増となり、4カ月連続で拡大した。しかし、対米輸出の大幅減少が全体の伸びを一部打ち消す結果となった。
統計によれば、2025年12月の日本の輸出総額は10兆4千億円、輸入額は10兆3千億円であり、いずれも前年同月比でそれぞれ5.1%、5.3%増加し、4カ月連続の伸びを記録した。当月の平均為替レートは1ドル=155.86円で、前年同月比約2.2%の円安となり、輸出額を一定程度押し上げた。
一方、輸入の増加率が輸出をわずかに上回ったため、同月の貿易黒字は1057億円に縮小した。前年同期比で12.1%減少したものの、2カ月連続で黒字を維持した。
品目別では、輸出は半導体などの電子部品や非鉄金属が好調で、全体の輸出拡大を牽引した。一方、輸入では通信機器と医薬品の伸びが目立った。
対米黒字縮小、対中赤字拡大
主要な貿易相手国別に見ると、日本の12月の対米輸出は1兆8100億円で、前年同月比11.1%減と、2カ月ぶりの減少に転じた。輸入は9.2%増加し、結果として対米黒字は6906億円に縮小、前年同月比31.7%減となった。自動車および部品、半導体製造装置の輸出減少が主因である。
対欧州連合(EU)への輸出は小幅に増加したものの2.6%にとどまり、輸入が21.6%増加したため、赤字は2567億円に拡大した。これで23カ月連続の赤字である。アジア全体では依然として黒字を維持し、輸出入ともにそれぞれ10.2%、9.6%の増加を示した。
一方、中国との貿易構造は依然として厳しい状況が続いている。12月の対中輸出は1兆8100億円で前年同月比5.6%増だったが、輸入は2兆4600億円に達し、14.7%増加した。これにより、対中貿易赤字は6525億円に拡大し、前年同月比50.5%増と急拡大した。これで57カ月連続の赤字である。原材料、半導体関連製品、医薬品の輸入増が主な要因となった。
為替と政策環境の複合的影響
ロイター通信は、日本の最近の輸出動向が複数の要因によって下支えされていると分析している。主な要因には、円安による価格競争力の向上、米国経済の底堅さ、そして昨年9月に締結された日米貿易協定の影響がある。同協定では、ほぼすべての品目に一律15%の関税を設定し、企業が予見可能な関税環境のもとで供給や販売戦略を調整できるようになった。12月の対米輸出は減少したものの、全体として関税の影響は市場が当初懸念していたほど深刻ではなかったとの見方が出ている。
こうした背景を受け、日本政府は本年度(2026年3月期)の経済成長率見通しを従来の0.7%から1.1%へ上方修正した。これは、内需と輸出の見通しに対する政府の信頼感が強まったことを示している。
日銀の動向に市場の注目集まる
円安の再燃と賃金上昇見通しの改善がもたらすインフレ圧力に対応するため、日本銀行は2025年12月に政策金利を25ベーシスポイント引き上げ、0.75%とした。これは過去30年間で最高水準である。
市場では、1月23日まで開催される日銀の2日間の金融政策決定会合で金利は現状維持されるとの見方が強い一方、追加利上げに備える姿勢を示すとの観測も広がっている。日銀が引き続きインフレ抑制姿勢を維持していることが確認される。
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