高市早苗の圧倒的勝利で習近平に訪れる七重苦

2026/02/12 更新: 2026/02/12

2月8日に実施された衆議院選挙で、高市早苗首相が率いる自民党が圧倒的勝利を収めた。分析によれば、これまで高市首相に強く反対してきた中国共産党(中共)当局は、七つの困難な状況に直面している。

2月10日、ウェブサイト「看中国」は、「黄清」と署名された評論記事を掲載した。黄清氏は、高市首相が収めた歴史的勝利が、中共党首の習近平を前例のない戦略的困境に追い込んだと指摘した。黄清氏は、この困境は一般的な外交上の挫折にとどまらず、戦略判断、政策効果、国際的威信をめぐる全方位的な試練だと論じた。

黄清氏は、習近平が七重苦に直面すると分析した。

第一の困境について、黄清氏は、戦略的誤判断が公然と露呈した点だと指摘した。黄清氏によれば、中共は近年、外交上の警告、経済的圧力、世論攻勢などを通じて、日本の軍備強化や台湾支持を阻止しようとしてきた。中共政府は、持続的圧力によって日本政界の穏健派が台頭し、日本の対中政策が軟化すると見込んでいた。

しかし、現実には、日本政界で最も強硬派の一人とされる高市首相が圧倒的勝利を収めた。黄清氏は、その過程で中共の強硬な発言が高市首相の選挙動員の材料になったと指摘し、中共政府の戦略判断の根本的誤りが露呈したと論じた。

第二の困境について、黄清氏は、政策選択が進退窮まる状況にあると分析した。黄清氏によれば、高市首相の勝利後、習近平は戦略的ジレンマに直面する。中共が対日強硬姿勢を継続すれば、高市首相の政権基盤を一層強固にし、日本の軍事正常化や日米およびインド太平洋諸国との連携を加速させ、中国経済への下押し圧力も強まる。

一方、中共が日本との関係緩和を選択した場合も困難が伴う。黄清氏は、習近平が過去の強硬発言に拘束されており、高市政権との接触を自ら求めれば、いかなる妥協も弱腰と受け止められ、国内の民族主義的世論の強い反発に直面すると論じた。

第三の困境について、黄清氏は、台湾問題に関する「レッドライン」が戦略的罠になっていると指摘した。黄清氏によれば、習近平は長年、台湾問題を「核心的利益の中の核心」と位置付け、妥協の余地をほとんど残してこなかった。これが戦略的罠となった。

高市首相は、台湾海峡の平和と安定を日本の国家安全保障の重要な構成要素と公言している。黄清氏は、中共政府が日本の台湾問題に関する立場を受け入れられない一方、実際の行動でその立場を変更させることもできないと指摘した。さらに、中共が台湾を「内政問題」と強調し外国の介入を認めないとする姿勢が、かえって台湾問題の国際化を加速させ、より多くの国際的関与を招いていると論じた。

第四の困境について、黄清氏は、国内政治による二重の拘束があると指摘した。黄清氏によれば、中共は長年にわたり反日宣伝を行ってきたため、習近平が高市首相との対話を選択すれば、国内の民族主義的世論から反発を受ける。一方で、対日圧力を継続しても成果が上がらなければ、中共体制内部から外交政策の有効性を疑問視される。黄清氏は、この政治的な「自縄自縛」により、習近平は過去の政策の誤りを認めることも、必要な戦略調整を行うことも困難になっていると論じた。

第五の困境について、黄清氏は、国際的イメージが深刻に損なわれたと分析した。黄清氏によれば、国際社会の観察者の目には、日本の今回の選挙結果は、中共の「大国外交」が日本で大きく後退したことを示した。

黄清氏は、国際主流メディアが習近平を「ジレンマに陥っている」と描写し、中共が重要な隣国との関係処理に有効な手段を欠き、外交政策が受動的になっているとみていると指摘。さらに、一部のアナリストは、中共政府は高市首相の内閣人事、訪米日程、政策実施を「観察」するしかなく、実質的な影響力を行使できないと揶揄していると述べた。

第六の困境について、黄清氏は、戦略的主導権を完全に失ったと指摘した。黄清氏によれば、これまで中共は対日関係で主導権を握り、経済的誘因や政治的圧力を通じて日本の政策選択に影響を与えてきた。しかし、高市首相の勝利がその構図を一変させた。

現在、習近平は「待ち」の受動的立場に置かれている。日本側の政府関係者は「中国大陸(中国共産党)が最終的には日本と再び接触せざるを得なくなることを望む」と公に述べた。高市政権も「中共政府との対話には応じるが、立場は変えない」と表明し、中共が対話を望むなら日本の政策立場を受け入れる必要があることを示唆した。黄清氏は、この戦略的受動性が習近平にとって長年経験の少ない状況であり、最も困難な局面の一つだと論じた。

第七の困境について、黄清氏は、政策効果が逆方向に検証されたと指摘した。黄清によれば、中共政府の強硬政策は結果として高市首相の政策主張を裏付け、強化した。高市首相は、日本が防衛能力を強化し、台湾海峡問題でより積極的な役割を果たす必要があると主張してきた。その理由として、中共が増大する安全保障上の脅威を構成していると説明してきた。

黄清氏は、中共の強硬な対応が高市首相の主張の根拠を補強し、日本国民の支持を拡大させたと論じた。また、日本が強硬姿勢を強めれば中共もさらに強硬に応じるという悪循環が形成されているとし、その背景には中共政府の戦略的視野や外交技術の不足があると指摘した。

さらに黄清氏は、この逆方向の検証効果が地域の他国にも波及していると述べた。韓国、フィリピン、ベトナムなどが日中関係の展開を注視しており、中共が高市早苗政権に強硬に対応すれば、これらの国々は中共政府との関係に伴うリスクと利益を再評価し、戦略選択においてより慎重になるか、米国側に傾斜する可能性があると分析した。

記事は最後に、習近平が現状の困境から抜け出す可能性は極めて低いと指摘した。黄清氏は、実質的な政策調整には過去の誤りを認める必要があるが、現在の政治環境下ではそれはほぼ不可能だと論じた。

関連特集: 中国政治