中国では旧正月を前に、各地で帰省ラッシュが本格化する。都市で働く人々が続々と故郷へ向かうなか、今年はある光景が注目を集めている。
高速鉄道が当たり前となった時代に、時代遅れとなった緑色の旧型列車が、いま再び多くの人に選ばれている。
車内は通路まで人で埋まり、床に座る乗客の姿も見られる。赤ちゃんを抱えた家族も少なくない。座席はすべて満席で、発売と同時に売り切れる便もあるという。
選ばれる理由は、何よりも安さである。
「時間はかかってもいい。少しでも家に持ち帰るお金を増やしたい」
出稼ぎ労働者や学生にとって、その差は小さくない。浮いた費用で子供に服を買い、親に渡す品を用意するという。
鉄道の高速化が進む中国で、いま最も混雑しているのは、最も安い列車である。その満席の車内が、現代の暮らしぶりを静かに映し出している。
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