習近平が屈服 中国中央テレビはトランプ氏を貶めて国民を欺く

2026/05/18 更新: 2026/05/18

北京時間5月15日午後、米国のトランプ大統領は短期間の北京訪問を終え、帰国の途に就いた。トランプ氏は少なくとも表面上は習近平と決裂することはなく、会談の冒頭でも習近平を持ち上げる発言を行った。しかし、米ホワイトハウスが公表した会談録を見る限り、トランプ氏は複数の議題で目的を達成し、習近平と中国共産党(中共)は事実上屈服した形となった。

ホワイトハウスの会談録によれば、トランプ氏と習近平は「両国の経済協力を強化する方途、すなわち中国市場における米国企業の市場アクセス拡大、および中国による米国産業への投資増加などを協議した」

習氏はまた、フェンタニル前駆体の米国流入阻止においてこれまで得られた進展を踏まえ、さらに努力を続けることに同意し、中国による米国産農産物の購入を拡大することにも同意した。

5月14日夜、トランプ氏はメディアに対し、中共が200機のボーイング機を購入する見通しであり、米国のテクノロジー業界に数千億ドル規模の投資をもたらすと予測していると明かした。15日、米通商代表部(USTR)のジェイミソン・グリア代表はメディアの取材に応じ、中国が「数百億ドル」規模の米国産農産物購入協定に署名するものと米側は見込んでいると述べた。

習近平に呼応する形と見られるが、5月15日、中国公安部は越境による麻薬製造原料および新規向精神物質の販売に関わる違法犯罪の典型事例10件を公表した。

イラン問題について、習氏はホルムズ海峡の開放維持の必要性に同意し、同海峡の軍事化およびその通行に通行料を課す試みのいずれにも当局として反対する立場を明確に表明した。さらに習近平は、中共の今後の同海峡への依存を低減させるため、米国産原油の購入を拡大する意向も示し、イランは決して核兵器を保有してはならないとの認識も示した。米メディアの報道によれば、トランプ氏は会談において中国共産党に支援を求めることはなかったという。

米国が重視する貿易、エネルギー、イランの諸問題において、トランプ氏一行は明らかに相応の成果を収めたと言える。これまで密かにイランを支援し、イランの核開発をも後押ししてきた中共も、イランを裏切ってでもトランプ氏に迎合せざるを得なかった。

しかしながら、中国共産党のこれまで度重なる背信行為に鑑みれば、中共が約束を遵守するのか、それとも引き続き水面下でイラン支援を続けるのか、不確実性は残る。これに対し、トランプ氏のチームは必ずや「言行を見極める」姿勢で臨むであろう。万一再び欺かれることがあれば、トランプ氏はさらに激烈な打撃を加えるのではないか。

中共が最も重視する台湾問題について、ホワイトハウスの会談録は一切言及していない。これに対し中共中央の新華社が会談後に発表した公式リリースでは、台湾問題が大々的に取り上げられた。習氏はこの問題を「米中関係において最も重要な問題」と位置付け、適切に処理しなければ「両国は衝突さらには紛争を起こしかねない」と警告した。同リリースには、トランプ氏のこの問題に関する発言は記載されていない。

一方、ルビオ米国務長官は会談後に米メディアの取材に応じ、双方が台湾問題、イラン問題、人権問題について協議した具体的内容を明かした。同氏は、台湾問題について米国の政策に「変更はない」と述べ「彼ら(中共側)は常にこの問題を提起する。我々は常に米側の立場を表明し、その後別の議題に移る。我々は彼らの立場を理解しているし、彼らも我々の立場を理解していると思う」と説明した。

つまり、米国の立場は、現状を力で変更しようとするいかなる行為にも断固反対し、従来通り台湾を支持するというものであり、会談前に取り沙汰されていた米国が台湾問題で譲歩する旨の表明を行うとの観測は、まったくの根も葉もない話であった。ルビオ氏はまた、対台湾武器売却問題は協議の重点ではなかったとも述べた。

中共が台湾問題で望んでいた確約を得られなかったことは疑いない。それにもかかわらず、習近平と中国共産党は面子を保ち、中国国民を欺くために、中央テレビ(CCTV)の「新聞聯播」において編集操作を行い、トランプ氏が習氏の発言にたびたび頷いて同意しているかのように見せかけた一方、ニュース全編を通じて習氏がトランプ氏の発言に同意して頷く場面は一切登場しないという演出を施した。

中央テレビは何度トランプ氏に頷かせたのか。習近平が冒頭で「現在、百年に一度の大変動が加速しており、国際情勢は混迷と変容が交錯している」と述べた箇所では、13秒の時点でトランプ氏が頷くアップに切り替わった。

習氏が「これらは歴史の問い、世界の問い、人民の問いであり、また大国の指導者が共に書き上げるべき時代の答案でもある」と述べた箇所では、45秒の時点でトランプ氏が頷く場面が映し出された。

非公開会談の場面では、習近平が「『米中建設的戦略的安定関係』を構築することを米中関係の新たな位置付けとすることに賛同する」と述べた後、1分20秒の時点でトランプ氏が頷く場面に切り替わった。

習近平が「今後3年あるいはそれ以上の米中関係に戦略的指針を提供するものであり、両国民および国際社会の歓迎を受けるであろう」「節度ある競争の中での良性の安定であるべきであり、相違をコントロール可能とする恒常的な安定であるべきであり、平和を期しうる持続的な安定であるべきである」「『米中建設的戦略的安定関係』は単なるスローガンではない」とそれぞれ述べた箇所でも、トランプ氏が頷くアップ映像が挿入された。

最も悪質なのは、習近平が台湾問題について「適切に処理されれば、両国関係は全体として安定を維持できる」と述べた直後にも、トランプ氏が頷く場面が再び挿入されたことである。中国共産党にも幾分かの自覚はあったようで、習近平が「台湾独立」について言及した箇所では、トランプ氏の頷き映像を挿入することは控えていた。

非公開会談であったため、録画したのは中共の官製メディアのみであり、トランプ氏が実際にどの発言を聞いた際に頷いたのかは不明である。さらに西側諸国の人々から見れば、トランプ氏が頻繁に頷くのは習慣によるもの、礼儀によるものであり、必ずしも習近平の発言に同意していることを意味するものではない。

しかし中国共産党は得意の編集操作によって、トランプ氏の頷き映像と習近平の発言とを「巧妙に」繋ぎ合わせた。しかも奇妙なことに、習近平が頷く場面は一か所も映し出されていない。これにより中国国民および外部に対し、「トランプ氏は頻繁な頷きを通じて習近平の発言に大いに賛同している。習近平はまたしても大勝した」という印象を与えることになった。

しかし、事実の真相は決してそのようなものではない。トランプ氏および米側が公表した会談結果から判断すれば、習近平と中国共産党は実質的にすでに屈服し、米側の制裁緩和を引き出そうとしているのである。

習近平がシークレットブーツを履き、椅子にクッションを敷いてトランプ氏と肩を並べようとしたことから、中央テレビが意図的にトランプ氏を矮小化する編集を行ったことに至るまで、いずれも中共政府の不安と自信のなさを物語っており、中身を失ってでも面子を保とうとする中共の心理を露呈している。中共のこのような振る舞いを目にした米国民は、はたしてどのような反応を示すのであろうか。

周暁輝
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