エボラ出血熱の感染拡大 コンゴで782人感染 181人死亡

2026/06/15 更新: 2026/06/15

アフリカでエボラ出血熱の感染が拡大しており、各国が警戒を強めている。6月14日、コンゴ民主共和国保健省はXで、同国のエボラ出血熱の感染者数が782人に達したと発表した。これまでに56人が回復し、181人が死亡した。致死率は23%となっている。

感染者と濃厚接触者の大半は、コンゴ東部のイトゥリ州に集中している。同州の症例数は全体の9割以上を占める。北キブ州と南キブ州でも感染が確認されている。また、感染は隣国のウガンダにも広がり、これまでに19人の感染と2人の死亡が報告されている。

今回の流行は、比較的まれな「ブンディブギョ型(Bundibugyo)」エボラウイルスによるものだ。コンゴ民で過去16回発生した流行の主因である「ザイール型(Zaire)」とは異なる。

現在、ブンディブギョ型に対する承認済みのワクチンや有効な治療薬はない。これまで開発されたワクチンや治療薬は、主にザイール型を対象としているためだ。

一方、米疾病対策センター(CDC)の最新報告書によると、今回の流行に関連する感染者はアメリカ国内では確認されていない。米国民や渡航者に対するリスクは、依然として低いとしている。

5月には、米政府当局者が、海外でエボラウイルスに接触した市民をケニアに新設される隔離施設で管理する計画を明らかにした。しかし、この計画は地元住民の強い反発を招き、最終的にケニアの裁判所によって差し止められた。

エボラウイルスの感染経路と予防策

エボラウイルスは主に動物、とりわけオオコウモリに感染するとされる。人が感染した動物に接触したり、その肉を食べたりすることで感染が広がる場合がある。発症までの潜伏期間は通常2~21日である。

初期症状はインフルエンザやマラリアに似ており、発熱、頭痛、倦怠感などが現れる。その後、嘔吐や下痢を発症し、重症化すると多臓器不全に至ることがある。患者によっては体内外で出血が見られる場合もある。

ウイルスは血液や嘔吐物などの体液を介して人から人へ感染する。専門家は、感染者の体液との接触を避けることに加え、エボラで死亡した人の遺体に触れないこと、未加熱または加熱不十分な肉類を食べないことなどが感染予防につながると指摘している。

実際の感染者数はさらに多い可能性

医療関係者の間では、実際の感染者数や死亡者数は公表値を上回る可能性があるとの見方が広がっている。

理由の一つは、感染拡大が数週間前から始まっていたにもかかわらず、正式に確認されたのが5月15日だったことだ。また、感染者の接触者追跡のカバー率は56%にとどまり、前週から大幅に低下している。

国連人道問題調整事務所によると、イトゥリ州は広大で森林が多く、道路事情も悪い。さらに、武力衝突の影響で約100万人が避難生活を余儀なくされており、疫学調査や接触者追跡を難しくしている。

同州には鉱物資源が豊富な地域も多い。数千人規模の小規模採掘者が遠隔地の鉱山を頻繁に移動しており、感染者の追跡をさらに困難にしている。

さらに、一部地域では風習や治安上の問題、政府への不信感から、医療従事者や疫学調査員が住民から攻撃を受ける事例も報告されている。こうした複合的な要因が、感染拡大の封じ込めを一層難しくしている。

呉瑞昌
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