中国 中国製不信が生んだ「日本信仰」

「日本製だと思った」 100万個売れた液体蚊取りが中国で話題に

2026/07/06 更新: 2026/07/06

中国では「日本製」という言葉そのものが、一種の「安全マーク」になっているようだ。

そのことを象徴する出来事があった。

中国メディアが報じたのは、「日本叮叮(ディンディン)」という液体蚊取りだ。「叮叮」は虫よけ商品によく使われる名称で、そこに「日本」の二文字を付けたことで、多くの人が日本ブランドや日本からの輸入品だと思い込み購入していた。

しかし実際には、日本企業とは無関係で、中国の会社が中国国内で製造していた商品だったことが分かった。

報道によると、「日本叮叮」の商標は正式登録も完了していなかったが、通販サイトでは100万件以上が売れていたという。

今回の報道で注目するのは、商品の正体よりも、「日本」の二文字だけで100万個以上も売れてしまったという事実だった。

背景には、中国国内の商品に対する根強い不信感がある。

中国では近年、食品や日用品をめぐる不祥事が後を絶たない。食品への異物混入や有害成分、品質偽装などが相次ぎ、「できるだけ中国製は避けたい」と考える消費者は少なくない。

その結果、「安全」「品質が高い」「赤ちゃんにも安心」という日本製への信頼が高まり、日本製が一種の「安心の目印」になっている。

実際、中国のSNSでは、「日本ブランドだと思って購入した」「輸入品だと信じていた」「日本製だから選んだ」という声が相次いだ。

つまり、多くの人が買っていたのは液体蚊取りそのものではなく、「日本」というブランドが長年積み重ねてきた信頼だったとも言える。

中国ではこれまでも、外国ブランドを思わせる商品名やパッケージがたびたび話題になってきた。だが今回売れていたのは、しゃれた包装でも、目新しい効能でもない。中国人消費者が自国の商品に抱く不安と、「日本」という二文字への信頼だった。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
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