EUの対中貿易赤字が拡大を続ける中、ドイツのクリングバイル財務相は20日、中国共産党(中共)は世界の貿易ルールに従っていないとして、中国との競争に対応するため、より強硬な措置が必要だと述べた。
ブルームバーグが20日に報じたところによると、クリングバイル氏はドイツ東部の選挙活動で、中国の過剰生産や政府補助金、外国企業に合弁会社の設立を求める慣行などが、ドイツ産業を圧迫していると指摘した。
特に鉄鋼や自動車などの国内産業は、雇用を維持し、中国企業との競争に耐えられるよう、経営基盤を強化する必要があるとした。
クリングバイル氏は、ドイツはこれまで自由貿易を支持し、市場を開放してきたとした上で、中共が世界の貿易構造を自らに有利な形へ変える中、ドイツはもはや「傍観しているわけにはいかない」と述べた。
同氏は「彼らはルールに従っていない」と指摘し、こうした問題に対してドイツは「さらなる対応が必要だ」と強調した。
ドイツ、対中経済関係を見直し
クリングバイル氏は副首相を兼務し、ドイツ社会民主党(SPD)の共同党首も務めている。今回の発言は、ドイツの対中経済政策が明確に変化しつつあることを示している。
ドイツは長年、対外貿易への依存度が高く、中国と密接な経済・貿易関係を築いてきた。しかし、中国企業が高付加価値の産業分野に進出するにつれ、ドイツの鉄鋼や自動車産業との競争も激しくなっている。
クリングバイル氏は、中国に対してより強硬な姿勢を取ることを支持するとし、メルツ首相も同じ立場を取るようになったことを歓迎した。
クリングバイル氏は今年2月にも同様の警告を発していた。当時、他国がすでに競争力で優位に立つ中、ドイツだけが「盲目的に市場を開放し続ける」ことはできないと述べ、中国による安価な鉄鋼のダンピング輸出を例に挙げた。
EU、新たな貿易防衛措置を検討
一方、EU当局者は、対中貿易赤字が現在1日当たり10億ユーロを超えており、この規模の赤字は持続できないとみている。
今年6月、EU首脳は欧州委員会に対し、中共との貿易赤字が拡大し続けていることを受け、新たな貿易防衛措置を打ち出すよう求めた。
メルツ氏率いるドイツ政府も最近、対中経済政策でより強硬な姿勢を取り始めている。
報道によると、ドイツ政府は、EUと中共の間で将来、貿易衝突が起きる事態に備え、中国の経済・貿易体制にどのような弱点があるかを分析している。
EUと中共の貿易摩擦が強まる中、ドイツが対外貿易を維持しながら国内産業をどう守るかが、政府にとって重要な課題となっている。
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