【物語】親孝行の子路(しろ)
孔子の弟子の中に、子路(しろ)という弟子がいました。子路の家族は、とても貧乏で、肉と魚が食べられるのは、特別な日だけでした。その他の日は野草を食べ、お腹を満たしていました。貧しい両親を助けるため、子路は百里離れた市場へ行って米を買い、道端の野草を摘んで帰りました。子路は持ち帰った野草を煮て、親のために食事の用意をしました。
弟子規(5)
父母が喜ぶ事物や行為は、その子女が極力準備してやるようにする。
弟子規(4)
たとえ小さな事であろうと、父母にことわりなしで任意に行ってはならない。
弟子規(3)
冬は両親のために床を暖め、夏は両親のために床を涼しくしておくこと。
『弟子規』の連載にあたって
読者の皆さんに中国の正統文化を紹介し、かつ中国語学習の便に供するために、『弟子規』の連載を始めます。
【掌編小説】蛇を捕える者の涙 柳宗元『捕蛇者説』をもとに改編
赤蛇を、徹底して駆除すべし。この世からも。人の心からも
【古典の味わい】春夜宴桃李園序(春夜、桃李園に宴するの序) 李白
李白には李白の生きる術があったことは、想像してよいと思います。
【古典の味わい】桃花源記(後編)
「桃源郷は、そのあと探しても見つからなかった」。それが陶淵明が心に決めていた結論でした。
【古典の味わい】桃花源記(前篇)
名もない漁夫が、川をさかのぼって迷い込んだのは不思議な「桃源郷」でした。
【古典の味わい】河間の男女 『捜神記』より
人間の一途な思いが神仏や天地に通じた結果、そこに奇跡を起こすという骨組みがあります。
【掌編小説】大運河の柳 白居易「隋堤柳」より
後世の中国皇帝は、我が身を戒めるため、何を見るのが良いか。隋堤の亡国の柳樹を見てほしい。
諸葛孔明――彼の妻は本当に醜かったのか【千古英雄伝】
古代中国では、結婚式の際に花嫁が「紅蓋頭(ホンガイトゥ)」と呼ばれる大きな赤い頭巾をかぶる習慣がある。実は赤い頭巾を最初に使った女性は諸葛孔明の妻・黄月英であるという言い伝えがある。
善良な医師
1960年代、中国の淮北(安徽・江蘇)地区に、医術に優れた高尚な医師・賈氏がいた。彼は患者に因果応報の理を話し、良い人間になるよう説いていた。そのため、彼は「賈善人」と呼ばれるようになった。彼は貧しい患者からは診察料を受け取らず、困っている人にお金を与えた。
【古典の味わい】刎頸之交(刎頸の交わり) 『十八史略』より
相手のために自分の首が切られてもよい、と言えるほど厚い友情のことです。
高潔な美女 王昭君
古代中国の四大美人と言えば、西施(せいし)、貂蝉(ちょうせん)楊貴妃(ようきひ)、王 昭君(おう しょうくん)。権力者を翻弄する程の美貌を兼ね備えた彼女たちは皆、波乱万丈の人生を送りました。今回は、誠実で高潔だったという王昭君の物語をご紹介します。
【古典の味わい】景公之馬(景公の馬) 『説苑』より
晏子は、愚かな身代わりを演じて、無意味な処刑をすることの非を景公に悟らせます。
【掌編小説】腕を折った翁 白居易「新豊折臂翁」より
新豊の村で出会った一人の翁。その右腕は、異様に折れ曲がっていた。
梅の愛
梅雨の晴れ間、私は毎年、梅の実を漬けます。そんな時思い出すのは、私の友人のお母さんが教えてくれた「梅干しの歌」です。 早春には美しい花、初夏には青々とした実というように、人々に
韓信――偉大な武将【千古英雄伝】
長い歴史において名を残した人物が、幼少の頃は貧しかったり、虐められたりして苦を嘗めたという逸話がたくさん残っています。彼らはこれらの苦労があったからこそ鍛えられ、偉大な事を成し遂げられたのかもしれません。今回は、韓信という人物の物語を紹介します。
【古典の味わい】蘇武持節(蘇武、節を持す)『蒙求』より
蘇武は、武帝に賜った節を持して、その忠義を貫きました。
一諾千金 信義を重んじる古人
「信」とは何でしょうか。「信」は儒家の云う五徳「仁、義、礼、智、信」のうちの一つです。「人をして信無くば、その可なるを知らず」と孔子は述べています。信義を重んじない人は社会に居場所がなく、何事をも成し遂げることができないという意味です。それ故に古の人々は誠実であることを人間道徳の涵養の基礎とし、自らの身を修め、家庭を整え、国を治め、太平の世を成す規範としたのです。
<心の琴線> 小さな白いヒヤシンス
いつものように私は、娘を迎えに幼稚園に行った。 若い女性の担任の先生が、少しためらってから、私が恥ずかしくなるようなことを話し出した。
【古典の味わい】貞観之治(貞観の治) 『十八史略』より
令和の今こそ「古典の味わい」を大切にしていただきたく、本コーナーをお届けしていきます。
【掌編小説】月と遊ぶ 李白「月下独酌」より
月を友として迎えれば、我と、我が影と、三人になる。
【掌編小説】炭売りのじいさん 白居易「賣炭翁(炭を売る翁)」より
長安の南に、終南山という山がある。その山の麓に、炭売りのじいさんがいた。
【掌編小説】闇夜の涙 杜甫「石壕吏(石壕の吏)」より
真夜中の闇に、家人のかすかなむせび泣きが聞こえた。その後、下吏は老婆を連れて去ったらしい。
多重人格
多重人格に関して、漢方医学の見方は西洋医学と異なっています。漢方医学でいう多重人格とは、患者が自分の主意識を放棄して外来の霊や鬼などにコントロールされ、主意識がもうろうとなって不可解な行動に出ることです。
<心の琴線> 太陽の人
それはまだ私が母親になっていない、20代後半の頃からだろうか。小さい子供を見ると、とびきり愛おしく感じるようになった。親友の子供でも、通りすがりの子供でも、とにかく抱きしめたくなってしまう。
【佛家物語】この世で一番大切なことは?
その昔、多くの参拝者で賑わう円音寺という寺があった。この寺の正殿の梁に、一匹のクモが何千年も住みついていた。
お釈迦さまの歯に埋まった「舎利」 ミクロで見える姿は?
世界には、まだ私たちには計り知れない不可思議な現象があります。科学者が解明できたのは、奥深い宇宙の謎のほんの一端に過ぎないのかもしれません。