しゃっくり
その朝、男性は診療所が開く前から廊下で私を待っていました。私がドアを開け、「まず予約を取ってください」と言ったとたんに、彼がしゃっくりをしました。この男性は、私に何かを話したがっていましたが、連発するしゃっくりを抑えられずに涙をこぼしました。彼は60歳前後で中柄、とても優しい顔をしています。
帯状疱疹
帯状疱疹の邪気は、まるで泥棒のようなものです。突然痛みの症状が現れますが、皮膚に発疹が出るまで、なかなかその正体を突き止めることができません。病状が進み、角膜を侵すまでに至ると角膜潰瘍になり、失明することさえあります。従って、早期の治療が不可欠となります。漢方医学ではこの病気を「蛇纏(じゃせん:蛇のように体に巻きつく)」、或いは「火丹(かたん:火のように赤い発疹)」と称します。
漢方の急診と太極拳
太極拳の動作は、非常に緩やかでゆっくりと見えます。しかし、それはこの空間において、肉眼で見える印象にすぎません。太極拳の修煉によってできた「功」(エネルギー団)は別の空間に存在しており、その「功」の動きはとても速いものです。この空間で手を出す前に、あちらの空間では功がすでに目標点に届いてしまいます。
耳のツボ
漢方医の私は職業上の習慣で、人の耳にいつも注意を払います。時には相手の耳ばかり見てしまい、相手の話を聞き逃してしまいます。人間の耳はまるで生命の展示版のように非常に細かく正確に体の状況を反映しており、一目見れば多くの情報を得ることができます。私は時に患者に何も聞かなくても、耳を見るだけで病気の状況をほぼ把握してしまいます。
漢方も急病を治療できる
私の鍼灸医術は先祖から代々伝わってきたもので、私はこれを大切にし、謹んで医療行為を行なっています。
簡単に探せる「天星十二ツボ」(2)
5、委中は、足太陽膀胱経のツボで、膝の後の足を曲げる時太ももとすねのつながるところ(この部位は「腘」という)の真ん中に位置します。腰痛でまっすぐ立てない、背中が重くだるい、背筋を伸ばすことができないなどの症状を治療できます。
簡単に探せる「天星十二ツボ」(1)
読者に簡単にできる実用的な鍼灸のツボをご紹介したいと思います。
病と四季、四時との関係
中国古代の医学書『黄帝内経』によると、万病は乾燥、湿気、寒さ、暑さ、風雨、節度のない性生活、喜怒、飲食と住居の不調和から生じ、病気にかかると、ほとんどの場合、午前と昼間は比較的に体調が良く、夕方から症状がひどくなり、夜になるとさらにひどくなるといいます。
彼の病気は本当に治ったのか
数年前、ある末期の肝臓ガン患者が私を訪ねてきました。彼は、大手の病院ではもう治療の施しようがないので、漢方で運試しするしかない、と言いました。彼は顔色が暗く、腹水が溜まっているようでした。
向こう側の生命
マルクは私の良い友達です。私が困難に遭った時、彼はよく助けの手を差し伸べてくれました。
ある日、彼の余命が短いということを知らされました。彼は脳の末期ガンで、命はあと一週間ほどだといいます。生命維持装置は全部外され、生命の「明かり」が自然に消えるのを待っている状態でした。友人たちは彼の最期を見守るために病院に駆けつけ、親族は涙を流して彼に別れを告げました。
あるゴミ回収人との出会い
私の患者には会社の副社長から、弁護士、教師、料理人、歌手、ダンサー、バイオリニスト、そしてゴミ回収人まで、様々な職業の人びとがいます。今日はこのゴミ回収を仕事としている患者の話をしましょう。
治療親書
数十年、医者としてやってきましたが、医学書より多くのことを教えてくれたのは、さまざまな患者さん達です。彼らを診察して病気を治療する時、私もいろいろなことを学び、自分自身の事も分かるようになりました。
拒食症
ハイジーは、15歳の時にこの病気になったと告白しました。
拒食症
拒食症には何種類もの臨床例があります。その中の一つに、患者の精神的な原因により、食べたものを故意に全部吐き出すという病状があります。これにより患者の胃腸機能がだんだんと乱れ、消化不良が起こり、体に各種の病変が起こります。複数の病状がころころ変わる患者を見て、医者はとても困惑しますが、本当の病因がまだ深いところに隠れていることは分かりません。
フィジー への旅
アフリカでの教訓があるため、フィジーに行く前にスーザンは各種の予防注射をしました。薬局で買える塗り薬とスプレー剤を全部買い、完全装備でフィジーに旅立ちました。
スーザンのアフリカへの旅
栄養学の研究をしているスーザンは薬草の知識が豊富で、よく世界各地へ講演に出かけます。スーザンは旅行が好きで、毎回ユニークなお土産を持ち帰ってはみんなにプレゼントしていました。
人生の舞台
診療所に務める以前から「患者からの社交的な誘いは受けない」というルールを自分に課してきました。医者の職業道徳を保ち、患者に対して感情移入することを避けるのが主な目的ですが、日常の世俗的な人間関係から離れてトラブルを避けたいという理由もあります。
違う法門の修煉(2)
ボビーは煉功と座禅を始めました。どのように煉功して、どんなことをするのか、ボビーは師から受けた注意を守り、誰にも教えません。しかし、暫くすると、「座禅する時、もし良くない物や光景を見たら、どう対処したらいいのかしら」と私に聞いてきました。
違う法門の修煉(1)
ボビーはとても敬虔にヒンドゥー教の一種を信仰していて、私にもそれを薦めました。当時の私は、食べ物に対する嗜好が捨てられませんでした。彼女の宗教は肉を禁じ、緑色野菜だけを食べるという規律があったのです。私は婉曲に彼女からの誘いを断りました。
病と性格(3)
マーサは、自分の人付き合いが下手な根本的な原因はいったい何なのか、そして病気の原因は何なのかが知りたくて、再び私の診療所にやって来ました。
反省
デニスは全身の関節と筋肉が痛くて、両手を使ってもコップさえ持ち上げられない状態でした。眉をひそめている彼女はすでに老人のように見えますが、実際はまだ45歳でした。
口を修め、他人を思いやる
何気なく口にした一言が時には、他人の心を深く傷つけてしまう事があります。
病と性格(2)
ガンの宣告を受け、辛い思いをしているマーサに、次から次へと友人が助けにきてくれました。月曜日から土曜日まで、子供の面倒、買い物、食事、洗濯、掃除など、すべてが解決できました。
病と性格(1)
マーサは頭が良くて、健康かつエネルギッシュですが、勝気なところがあります。いかなる難題でも、彼女を困らせることはできないようでした。いつ何をすべきかは、すべて彼女のコントロール下に置かれ、子供を作る時でさえ、願いどおりに女の子と男の子を一人ずつ生みました。
悲しい笑い
待合室から笑い声が聞こえて来ました……。
その笑い声がとても大きくて力強かったので、声の持ち主に何か大きな喜びがあったのか、または面白い話でもしているのかと思いました。
多重人格
多重人格に関して、漢方医学の見方は西洋医学と異なっています。漢方医学でいう多重人格とは、患者が自分の主意識を放棄して外来の霊や鬼などにコントロールされ、主意識がもうろうとなって不可解な行動に出ることです。
≪医山夜話≫ (34-3) 拒食症
【大紀元日本7月31日】「しかし、病院は私の病気を根本から治すことができませんでした。あの頃から、どのように医者や看護婦に応対すればよいのかを身に付けました」 「病院では、このような病気の治療法はお
≪医山夜話≫ (26-3) 心のダメージ
「ジェニー、あなたのご家族は継父さんをどう思っていたのですか?」 彼女は頭を振りながら天井に目を向け、まったく理解できないという表情をしながら話してくれました。
心から病を診る『医山夜話』連載にあたって
2004年に台湾の益群書店より『医山夜話』が出版された。これは、漢方医が患者と共にどのようにして多くの不思議な病を治したかを綴った実話集である。病気と聞くと、人々はよく病院での診断、治療、薬などを思い浮かべるが、人の心、道徳、正念、善行などが病と深く関係していると考える人は多くないだろう。