【大紀元日本1月2日】中国国土資源部は先月24日、過大な土地取得による不動産相場価格の高騰を抑えるため、2007年に都市の土地供給を厳しく制限すると発表した。本年1月1日から新建設用地の有償使用費を倍に値上げするという。
中国新華社通信によると、新建設用地の有償使用費は現在の倍にし、一平方メートル当たり70元(日本円約1000元)から最高140元にまで値上げする。過大な土地取得による不動産相場価格の高騰を抑え、建設用地拡張による利益誘導を抑制したい考えだという。
これについて、米国在住の経済学者・程暁農氏は、表面上では行政介入で不動産バブルを抑制する大義名分があって問題ないように見えるが、値上げにより建設用地の拡張を抑制するとの建前の裏には、国土資源部は自分が獲得する「甘い汁」を増やそうとする目的にあると指摘した。実際、土地使用費は、地方政府と中央政府の「取り分」を除けば、国土資源部も「恩恵」を与ることになっており、財政を潤すよい機会ととらえているのは事実で、程氏は「財政対策と不動産バブル対策が混同」と指摘した。
程氏の分析によると、当局は、一旦不動産バブルが崩壊すると、銀行に大量の不良債権が発生し回収不能になると本気で心配しているという。国土資源部が土地開発を抑制したいのは、不動産の増設拡張を抑えるのが目的ではなく、不動産バブル現象を起こさせないのが目的で、業者が銀行からビル建設などで大量に借り入れをして、物件の売却不能に陥り、返済できなくなる「焦げ付き」を監視したいからだ。
報道によると、国土資源部の発表では来年、全国の農地を建設住居用地に転換する規模は今年と同レベルに維持する。同時に、国土資源部は土地使用の申請を審査する際、土地の用途、特に住宅建設用地に対する監督と規制を強めるという。都市土地使用の審査において、中低価格の小型住宅から経済適用住宅(低収入家庭向けの福利性質の販売用安値住宅)、低料金の賃貸住宅の土地供給をうまくコントロールすべきとしている。
国土資源部が提出したこれらの審査要求は、程氏によると地方では徹底されないという。「国土資源部は北京に駐在しているため、地方の事情には疎い。結局は、地方政府の利益動向の問題になり、高級マンションや高級官舎の建設ラッシュで夢中になり、その中からうまい汁を吸ってしまうのが落ち」と切り捨てた。
中国国家発展改革委員と国家統計局の最新統計によると、2006年11月、中国の70個の都市における不動産相場価格は、昨年同期と比べると5・2%上昇した。その中で深圳市では11・6%で最大、北京と福州ではそれぞれ9・4%、8・4%で第二位、第三位であった。
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